国土交通省の土地・建設産業局は、一般向けに公開している「土地総合情報システム」を刷新した。不動産取引価格情報を検索、都道府県の地価公示情報を閲覧でき、データ表示の速度を向上させたほか、新機能として地図表示時に航空写真を表示できるようになっている。
システムとウェブサイトは7月24日から試験的に運用されており、8月1日から正式に稼動を開始する。NECが7月31日に発表した。
不動産取引価格情報検索の航空写真閲覧画面
土地総合情報システムは、安定的な不動産投資の促進や市場の活性化、安心・安全な不動産取引のための土地に関する情報の把握と提供が目的。土地・建設産業局が2006年4月から運用している。
これまでの同システムのサイトでは、地価公示公開の際にアクセスが集中し、利用者が閲覧するページの表示までに時間がかかることがあった。土地情報に関わる地図データなどサイズが大きい地図などのスクロール表示のレスポンスに課題があった。
新サイトでは、これらのレスポンスの向上に加え、直感的に目的とする場所や周辺の現況を把握したいといったニーズに応えるために、国土交通省の国土地理院が無償で提供する地理院地図と連携し、航空写真も表示できるようにした。
サイトを支えるシステムは、アクセス集中時のシステム負荷を分散させるため、これまで画面表示でシステム側で利用者が選択した「行政区画情報」や「駅の座標・属性情報」を画像化して配信していた仕組みを、非常に軽量なデータである“JSON形式”で配信する仕組みにした。
地図のスクロール表示も、スクロールの差分の読み込みに対応するJavaScript(Ajax)の地図API連携方式を採用することで、高速に処理でき、表示速度を向上させている。
航空写真の表示は、地理院地図の電子国土基本図(航空写真)を活用するため、オープンソースのウェブ地図表示ライブラリを活用した。同ライブラリは、あらゆるウェブページにさまざまな地図を簡単に重ね合わせて表示できるJavaScriptライブラリ。