IBMは米国時間9月16日、自然言語ツールと予測アルゴリズムを活用した企業ユーザー向けサービス「Watson Analytics」を発表した。30日以内にベータ版を提供し、フリーミアムモデルの価格設定で11月から一般提供を開始する。
IBMは認知コンピューティングシステム「Watson」の商用化に10億ドルを投じるとしているが、多用な業種に対応してデータを取り込み学習させるためにカスタマイズする必要があるという、難しい課題も抱えている。Watson Analyticsは、より小規模なスケールでアナリティクスを提供するための道筋となるものだ。
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Watson AnalyticsはWebサイトを通じて、PC、「Android」、「iOS」で無償で利用できる。IBMはより高度なサービスについては有償にする可能性があるが、階層や価格はまだ検討中だ。
例として、Watson Analyticsは、Salesforce、Teradata、Oracleの各システムなどから20のスプレッドシートを読み込み、接続を開始して自然言語のフォーマットで質問に答えられる可能性がある。マーケティング担当者は効果の高いキャンペーン、人事担当者は定着率データ、営業担当者は契約成立間近の案件などを尋ねることができるかもしれない。
Watson AnalyticsはIBM SoftLayerクラウドで提供される予定で、Watsonと同じ自然言語処理、アルゴリズム、探索ツールを利用している。Salesforce、「Google Docs」、Oracle、「Box」、「Cognos」、「SPSS」などのアプリケーションにはアイコンやコネクタが用意され、セルフサービスモデルではファイルをアップロードすることもできる。また、Watson Analyticsにインポートしたデータを処理しやすいように、クレンジングや情報セット作成などを自動化している。
IBMによると、Watson Analyticsはユーザーの解析データが準備済みであることを前提としておらず、データ解析プロジェクトの6割を占めるデータの準備とローディングにかかる時間を節減し、質問されなくても適切な情報を提示するという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。