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新着記事集:「負荷分散」

トップシェアは射程--伝統の電設資材事業でパナソニックが進める世界戦略のキモ

大河原克行

2014-10-04 08:00

 パナソニックが、2月に買収を完了したトルコ共和国のVİKO ELEKTRİKは、同国における配線器具のトップメーカーである。パナソニックは、創業100周年を迎える2018年度に10兆円の売上高を目指しているが、そのうち、住宅関連事業では2兆円を目標に掲げ、電設資材事業は、世界戦略の重要な柱のひとつに位置づけている。

 日本では、パナソニックの創業商品として95年の歴史を誇る分野。国内シェアは約8割と圧倒的だ。70年前から市場参入した台湾での実績などもあり、アジアナンバーワンのシェアも獲得している。さらに2007年のインドのAnchor Electricals買収、そして、2014年のVİKO買収で現在、インド、トルコ、韓国など9つの国と地域でナンバーワンシェアを持つ。パナソニックのグローバルの電設資材事業戦略を追った。

配線器具は利益率2桁台

 パナソニックは、1981年に創業者である松下幸之助氏が「アタッチメントプラグ」の製造を開始してスタートした企業だ。つまり、電設資材事業は、パナソニックにおいて最も歴史がある事業だといえる。

 住宅だけでなく、ビルやオフィス、商業施設などのあらゆる住空間における電気のインフラとなる配線器具を起点に、リモコンなどの照明制御、ブレーカーなどの電路機器、インターフォンや火災報知器などのシステム機器、ケーブルなどの配管機材といった領域へと電設資材事業を拡大。20世紀の電気インフラの広がりを下支えし、エネルギーマネジメント時代を迎えた21世紀も成長が継続する有力な事業と位置付けている。

 中でも配線器具は、モデルチェンジが少なく、製造設備を長年利用できるなど、収益性が高いのが特徴。常に2桁台の利益率を確保できる事業だ。安定的な需要が見込める市場であり、現在、全世界8600億円といわれる市場規模は、2018年度までに年率5%の市場成長が見込まれている。

有井利英氏
パナソニック エコソリューションズ社 副社長 有井利英氏

 配線器具は、国ごとに規格や仕様が異なり、ボックス形状では日本やアジア、米国で利用されている「Aタイプ」、インドや中国で利用されている「BSタイプ」、トルコやインドネシアで利用されている「Cタイプ」に大別。さらに、この形状をもとにコンセント極配置が10タイプに分類される。

 パナソニックが手がけてきたのは当然、日本で利用されているAタイプとなるが、インドのAnchorの買収でBSタイプ、VİKOの買収でCタイプの製品ラインアップを品揃えすることができ、全世界の需要に対応できる体制が整った。

 日本からアジア、そしてインドからトルコへと事業を拡大。同社ではこれを「GO WEST」戦略と呼び、さらに中東、旧ソ連地域のCIS、アフリカへと事業拡大を図り、2018年度には全世界でシェアナンバーワンを目指すという。

 「自前でやると時間とコストがかかる。AnchorもVİKOも、強力な販売網とブランド力がある。世界に展開する上で買収は重要な選択だった」とパナソニック エコソリューションズ社副社長の有井利英氏は語る。有井氏はVİKOの会長、Anchorの会長も兼務する。

説明 VİKOの業績推移
※クリックすると拡大画像が見られます
Nusret Kayhan Apaydin氏
VİKO CEO Nusret Kayhan Apaydin氏

 さらに「VİKOに関して言えば、同社が持つ生産設備を作る技術、商品を企画する技術には優れたものがある。これを活用できる点も大きなメリット」だとする。VİKO本社では自動化した生産ラインと、人手によるアセンブリラインを擁し、製品の特性にあわせて生産。月産600万個の体制を整える。金型製造や射出成形の工程を持っているのも見逃せない。

 現在、世界トップシェアの仏Legrandは10%強のシェア。これに対して、パナソニックは10%弱。トップシェアは十分射程にある。「この分野では、とにかく販路とブランド力が重要。VİKOは79カ国で販売し、ウクライナやロシアでも強い。そして、トルコは中東、アフリカの進出でも重要な市場になる」(有井氏)

 VİKOの最高経営責任者(CEO)であるNusret Kayhan Apaydin氏は、「2003~2013年の売上高の年平均成長率は18%。2013年実績で3億700万トルコリラの売上高。トルコ市場向けが59%を占め、トルコの電設資材市場では49%のシェアを持つ。アンゴラやカザフスタン、ウズベキスタンなどでもトップシェアを誇る」と胸を張る。「今後、パナソニックとの強いパートナーシップが生きると期待している。2018年には3億6000万トリコリラを目指す」(Apaydin氏)

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