イスタンブールでもブランド力発揮
トルコ・イスタンブールには、Karaköy(カラキョイ)と呼ばれる電材街がある。配線器具や照明器具、ケーブル、分電盤などの機器を取り扱う卸販社が所狭しと軒を連ねる。電材街には金物を取り扱う店を含めて3000店舗があるが、そのうち約1000店舗で電材製品を取り扱っており、多くの店舗でVİKOの製品を扱っている。
※クリックすると拡大画像が見られます
電材街ではVİKOのオレンジ色のパッケージが目立つ
競合するLegrandが赤、仏Schneider Electricが緑のパッケージに対して、VİKOはオレンジ。電材街にはオレンジ色の箱が目立つ。
VİKOには、VİKOブランドで展開するスタンダードモデルのほか、ミッドクラスの「VİKO Artline」、ハイエンドの「Thea」の3つの製品ラインがある。ArtlineとTheaでは、特定の販社に絞り込んで展開しているという。
「トルコ国内には、50社の1次販社があり、そのうち、カラキョイには15社の1次販社がある。トルコ国内では1万8000の店舗でVİKOを扱っている」
カラキョイ電材街で約60年間ビジネスを行っているというSEN ELEKTRIKオーナーのBeno Halfon氏は、VİKOの有力販社のひとつ。「欧州市場はLegrandやSchneiderという競合がおり、その市場に向けて、アジアの企業同士がパートナーシップを組んだという点を高く評価している。パナソニックが持つコンシューマーエレクトロニクス商品で持つブランド力も生かせる」と期待を寄せる。
スマートメーターとのコラボレーション
VİKOは今後、スマートメーターなどの新たな製品群の開発、製造にも力を注ぐことになるという。
「スマートメーターでは、パナソニックが持つデバイス技術などを活用することで今後、製品化を加速したい」とApaydin氏は語る。有井氏も「スマートメーターでのコラボレーションは、隠れた大きなシナジー効果を生むと考えている」と自信をみせる。
一方で、配線器具でのグローバルトップシェアへの仕掛けにも余念がない。2018年度にパナソニック全体で、10%台半ばのグローバルシェアの獲得が目標となる。
グローバルトップシェア獲得に向けて、VİKOの役割は重要となる。
パナソニックが持つマーケティング能力を生かした地域密着型の製品企画をVİKOと共同で実施。さらに、VİKOが生産していた製品に対して、安全性や操作性などを向上させるために、パナソニックならではの機能を追加するなど、商品力を高めるといった動きに取り組んでいる。