国内ITサービス市場、2014年は2.8%増--システム構築需要好調:IDC調査

NO BUDGET

2014-10-21 18:31

 IDC Japanは10月21日、国内ITサービス市場予測を発表した。2013年末から2014年前半にかけてシステム構築需要が好調に推移し、国内景気の回復、既存システムやインフラの刷新などを背景に、国内ITサービス市場は成長を続けていると説明。2014年の市場規模は前年比2.8%増の5兆1720億円となり、同市場が2012年にプラス成長を回復して以来最も高い成長率が見込まれる。

 国内ITサービス市場全体の傾向としては、多くの国内企業にとっての2013年度下半期にあたる2013年10月~2014年3月に大きく成長したことで、2月に発表した前回予測に比べ、2013年の実績、2014年の見通しとも上方修正された。

2012~2018年の国内ITサービス市場支出額予測
IDC Japan提供

 産業分野別にみると、政府や公共、金融業などで大型システムの再構築やシステム統合などの案件が多く見られた。システム別では、これらの大型案件に加え、クラウドへの移行、データセンターサービスの利用、ネットワークやセキュリティの強化、カスタムアプリケーション保守などへの支出が拡大した。

 2014年後半以降も国内ITサービス市場は堅調に成長するものとみられ、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)1.9%で推移し、2018年の市場規模は5兆5239億円とIDCは予測している。消費増税後の国内景気の先行き不透明感はあるものの、金融機関におけるシステム統合案件が継続するほか、「社会保障・税番号制度」にかかわる投資、クラウドやモビリティなど“第3のプラットフォーム”にかかわる投資が市場のけん引役になるとみている。

 国内ITサービス市場には、開発や運用の省力化と自動化、IT投資の海外シフトなど構造的な変化が進む。同社ITサービス/コミュニケーションズ グループディレクターの寄藤幸治氏は以下のように分析している。

 「中長期的にはシステム構築中心の市場成長は限界を迎え、構築したシステムがいかに付加価値を生むことができるかが競争軸になる。国内ITサービスベンダー各社は、システムを“作る、運用する”だけではなく、作ったシステムがどのように顧客ビジネスに貢献するのかまでを含めて提案し、その結果に対しても責任を負っていくべきである」

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