「組織のデジタル化はカルロスゴーン氏との共通認識」--日産自動車の行徳CIO

山田竜司 (編集部)

2014-10-29 07:00

 ガートナーは10月28~30日まで、「デジタル・ビジネスをドライブせよ」と題したシンポジウム「ITxpo 2014」を開催している。28日には日産自動車 グローバルコーポレート IS/ITアライアンスグローバルバイスプレジデント 常務執行役員 CIO(最高情報責任者)の行徳セルソ氏が「日産自動車のグローバルIS/IT戦略「VITESSE」における“Digital Strategy”」というテーマで登壇、講演した。


日産自動車 グローバルコーポレート IS/ITアライアンスグローバルバイスプレジデント 常務執行役員 CIO 行徳セルソ氏

 行徳氏は日産自動車に入社して10年、連結会社も含めると社員数16万人超という規模の企業のITを支え、革新してきた。この間、日産は海外売上高比率85%(2013年度)のグローバル企業として成長している。

 2005年度からの3カ年の中期計画「日産バリューアップ」、2008年度からの3カ年の中期計画「日産GT2012」に対し、行徳氏は“BEST(Business Alignment、Enterprise Architecture、Selective Sourcing、Technology Simplification)”と名付けられたIT戦略を推進している。BESTでは、経営計画と整合性の取れた情報システム戦略を実行するという指針を設定。IT基盤を標準化した。4000超ものプロジェクトを実施し、400ものアプリケーションを削減するなどの簡素化やコスト削減にも成功したという。

 2011~2016年度の中期計画「NISSAN POWER 88」では、2016年度までのグローバル市場占有率8%、営業利益率8%を目標にかかげ、これに対するIT戦略として仏語で“速さ”を意味する「VITESSE(Value Innovation、TEchnology Simplification、SErvice excellence)」を展開中だ。

 行徳氏はVITESSEを「Value Innovation」「Technology Simplification」「Service excellence」の3点からNISSAN POWER 88に対する貢献度合い評価しているという。VITESSEは、ビジネスやイノベーションへの直接貢献を目指しコスト削減やシステム開発の高速化、ディーラー管理、顧客満足などにも取り組み、開発やビジネスのプロセスを変えようとしている。

 実際、親会社であるルノーとは「研究・開発」「購買」「生産・物流」「人事」などの4つの機能を統合、年間43億ユーロ以上のシナジー効果創出を目指す。これ以外にも車体のモジュール開発に関してはダイムラーとコラボレーションできるシステム基盤の構築を構想しているとした。

 さらにグローバルで売れるデザインとは何かをデータに基づいて決める基盤を構築したほか、車のデジタルモックアップを作成し、コンピュータ上でそのまま流体解析のシミュレーションができるようなシステムを構築、開発のスピードアップと自動車部品の共通化を推進しているとした。

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