就業時間の20%以上がオフィス外の“テレワーカー”は2割:IDC推計

NO BUDGET

2014-11-05 08:00

 IDC Japanは11月4日、国内テレワーク関連ソフトウェア市場を調査し、2013年の同市場の分析と2014~2018年の市場予測を発表した。2013年の国内テレワーク関連ソフトウェア市場規模は前年比6.0%増の1828億円となった。外勤者向け/在宅勤務を含むテレワーク実施企業は2013年から10ポイント程度の成長と推計している。

 同社は、通常の執務場所以外の場所でICTを利用して業務を遂行する “モバイルワーカー”を働き方や働く時間の長さなどによって、3つの大分類と7つの中分類に定義してグローバルに調査している。同社では、モバイルワーカー全体の中で、収入を伴う仕事をしており、仕事をするオフィスを持ち、かつ外出先や自宅などオフィス外で就業時間の20%以上の業務を行う“テレワーカー”の人口が2013年末に1360万人、労働力人口の20.7%に相当していると推計している。

 上記の定義に沿って最新の国内IT市場のうちテレワークに関連するソフトウェア市場から17種類の市場を抽出し、同市場の2013年を推定、2014~2018年の予測をまとめた。また同時に行った企業ユーザー調査では、従業員10人以上の国内ユーザー企業1011社を対象として、企業のモバイルワーク実施状況、モバイルワークの促進要因や阻害要因などについて調査し、828社から有効な回答を得ている。

 その結果、2013年の同調査と比較し、外勤者向けモバイルワーク実施企業が10.4ポイント、在宅勤務では13.3ポイント、それぞれ増加したことが判明した。従業員の業務効率向上や労働力確保、オフィスコストなどの削減を目的としたモバイルワークの活用が2013年に進んだ結果、加えて、政府によるテレワーク助成施策の効果も実施企業数を増加させたと同社では推定している。

 モバイルワークの内数であるテレワーク人口については、2012年と比較して2013年にはやや減少とみている。モバイルワーク実施企業が増加したことで従来のテレワーカーのオフィス外業務負荷が減少し、一定数のテレワーク人口(就業時間の20%以上の業務をオフィス外で定常的に行う)がモバイルワーク(就業時間の20%未満の業務時間)に移動し、“テレワーク待機人口”が増加したことによると考察している。

 以上のユーザー調査結果やモバイルワーカー/テレワーカー人口推移などをもとに同社が推計した2013年のテレワーク関連ソフトウェア市場規模は、前年比6.0%増の1828億円3300万円。2014年以降には、刷新需要と新規需要で、2013~2018年は年平均成長率(CAGR)5.3%で推移し、2018年には2371億3700万円に到達すると予測している。


2010~2018年の国内テレワーク関連ソフトウェア市場セグメント別出荷額予測(IDC提供)

 同社ソフトウェア&セキュリティ グループマネージャーの眞鍋敬氏は、「ベンダーとシステムインテグレーターは、テレワーク待機人口をターゲットにしたシステム提案、政府主導の助成制度の活用、モバイルワーク未実施ユーザーに対するマーケティング施策の策定が重要である」とコメントしている。

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