スーパーコンピュータのランキングリスト「TOP500」の最新版が米国時間11月17日に発表された。1位は引き続き「天河2号」(Tianhe-2、Milky Way-2)。中国人民解放軍国防科学技術大学が開発したスーパーコンピュータだ。OSは、もちろんLinuxだ。
驚くことはない。Linuxは何年もスーパーコンピューティングを席巻してきた。2014年11月のスーパーコンピュータランキング「TOP500」では、世界最速の500のコンピュータのうち485(97%)がLinuxを搭載する。
Linuxはスーパーコンピューティングを独占しており、この状態は10年以上も続いている。
これと比べると、デスクトップにおける「Windows」や、スマートフォンにおける「Android」のシェアなど大したことはない。
Linuxは1998年6月に初めてTOP500リストに登場して以来、スーパーコンピューティングを独占するまでに成長してきた。理由は、超高速なコンピュータを作る上で単に相性が良かったことだ。UNIXはかつて、半年ごとに発表されるこのリストで圧倒的多数を占めていたが、今では13システム(2.6%)にまで減少している。残る2つのスーパーコンピュータは、複数のOSが混在するシステムと、Windowsのみを搭載するシステムだ。
OSに関わらず、スーパーコンピュータは依然、高速化を続けている。天河2号は今回、LINPACKベンチマークで毎秒33.86ペタフロップスをたたき出して首位に立った。しかし、スーパーコンピュータの高速化のペースは鈍化している。IBMやNVIDIAは、今後の何年かでこれを変えようとしている。
スーパーコンピュータの技術は進化を続けている。天河2号や7位の「Stempede」など、上位に入ったシステムの多くは高速化のためにアクセラレータ/コプロセッサ技術を採用している。Intelの「Xeon Phi」プロセッサやNVIDIAのGPUにより、これらのシステムは速度の記録を塗り替えることができた。
現在、TOP500のうち75のシステムで、アクセラレータ/コプロセッサ技術が採用されている。これは2013年11月時点の62からの増加となる。TOP500グループによると、「このうち50はNVIDIAのチップ、3はATIの『Radeon』、25がIntelのMICアーキテクチャをベースとするXeon Phiを採用している。TOP500システムにおいて、Intelは依然としてプロセッサで最大のシェアとなる85.8%を占めている」という。
メーカー別では、HPが179システム(36%)でトップ。IBMが153システム(35.2%)でこれに続く。スーパーコンピュータを専門とするCrayは3位で62システム(12.4%)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。