エネルギー効率の良いスーパーコンピュータランキングを作成するGreen500.orgが米国時間11月20日、最新のランキングを発表した。16回目となる今回、初めてAMDのGPUを搭載する「L-CSC」がトップに輝いた。2回連続でトップに君臨してきた「TSUBAME-KFC」は3位にランクダウンしている。
このランキングは世界のスーパーコンピュータをエネルギー消費効率の点から評価するもので、「Green500」として2007年より年に2回作成している。
今回トップになったL-CSCはドイツの物理研究所GSI Helmholtz Center(重イオン研究所)が作成したもので、1ワット当たり5.27ギガフロップスを達成して首位に輝いた。1ワット当たりの性能が5ギガフロップスを超えたのは今回が初めてという。CPUはIntelの「Ivy Bridge」を搭載し、FDR Infinibandを用いた。アクセラレータとしてAMDのGPU「FirePro S9150」を搭載し、エネルギー効率に優れたソフトウェアデザインも備える。
2位は、1ワット当たり4.95ギガフロップスを達成した日本の大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「Suiren」(睡蓮)だ。3位は東京工業大学学術国際情報センター(GSIC)のTSUBAME-KFCで、1ワット当たり4ギガフロップス。
上位3機種ともにIntelのIvy BridgeをCPUに用いているが、GPUはそれぞれ異なる。2位のSuirenはPEZY Computingの「PEZY-SC」を、3位のTSUBAME-KFCはNVIDIAの「K20x」を組み合わせている。Green500.orgによると、トップ3だけではなく、その後20位までのスーパーコンピュータもアクセラレータベースだという。