IDC Japanは11月25日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場の2014年上半期(1~6月)の動向を調査し、同市場の分析と2014~2018年の予測アップデートを発表した。1~6月の国内市場規模は、前年同期比5.1%増の1141億円1000万円であったという。
IDCでは、UC&C市場をIPテレフォニー、コラボレーティブアプリケーション、IPコンファレンスシステム、IPコンタクトセンターシステムの4つに分類し、それぞれの市場について個別に調査、市場予測している。
1~6月は、2013年から続いている音声基盤の刷新需要が好調に推移し、IPテレフォニー市場が前年同期比4.2%増と好調を維持した。コラボレーティブアプリケーション市場では、2014年から新たに合算したファイル同期/共有ソフトウェア市場が好調であることやWindows XPサポート終了によるクライアントソフトウェア置き換え需要で前年同期比9.4%増となった。
IPコンファレンスシステム市場では、映像会議システムの価格低下で2013年上半期(1~6月)は前年同期比マイナス成長となったものの、2014年の1~6月はベンダーのキャンペーンやウェブ会議サービス市場の成長で前年同期比4.0%増と持ち直している。IPコンタクトセンターシステム市場は、市場のSaaSへのシフトや小型システムの増加によって成長率が減速し前年同期比2.9%増となった。
国内UC&C市場全体の規模は、前年同期比5.1%増の1141億1000万円。国内UC&C市場では“第3のプラットフォーム”へのシフトが顕著になっており、特にクラウドやモビリティからの市場影響が大きくなっている。
IDC Japanでは、こうした調査結果から予測を上方修正、2014年の国内UC&C市場は前年比4.6%の成長の2192億1300万円になるとしている。2013~2018年は年間平均成長率(CAGR)4.0%で成長し、2018年には2554億4100万円の規模になると予測した。同社ソフトウェア&セキュリティ グループマネージャーの眞鍋敬氏は、以下のように提言している。
「ベンダーやシステムインテグレーター、通信事業者は、UC&CアプリケーションのSaaS型の整備、モバイルワークソリューションなどのパッケージの企画がUC&C市場の獲得に重要である」