伊藤忠商事は、世界中の従業員が利用するクラウド型コミュニケーション基盤として次世代ICT基盤を構築し、機能ごとに順次利用を開始している。基盤構築の一部を担当したNTTコミュニケーションズ(NTT Com)が8月26日に発表した。
次世代ICT基盤のユーザー規模は、伊藤忠商事の全従業員を含む6000ID。機能は全てクラウド上から提供され、インターネットと伊藤忠商事拠点内のLAN環境双方からのアクセスできる。
次世代ICT基盤のイメージ(NTT Com提供)
NTT ComのIaaS「Bizホスティング Enterprise Cloud」やマイクロソフトのSaaS「Office 365」などが使われている。ユニファイドコミュニケーション基盤として「Lync Online」、社内SNSとして「Yammer」、社内外との情報共有基盤として「SharePoint Online」を6月から活用している。
メールと予定表の統合では「Exchange Server 2013」を8月から利用している。Exchange Serverは、ほかの機能と比べ機密性の確保と細やかな運用が必要なことからBizホスティング Enterprise Cloud上のプライベートクラウド環境上に構築されている。Exchange Serverのデータは、Office 365の「Exchange Online」にバックアップされている。事業継続計画(BCP)が発動された時には、Exchange Onlineのデータを使えるようになっている。
伊藤忠商事は“個の力”を強みとしており、20時以降の残業を原則禁止、朝の軽食用意や手当増などにより早朝勤務へのシフトを促し、業務効率性を向上させるなど、これまでも業界の先陣を切ったワークスタイルの革新と個々の現場力強化を進めてきた。
今回の次世代ICT基盤で伊藤忠商事は、社内外で活発に活動する個人がデバイスや場所にとらわれることなく効率的に業務ができる環境をグローバルで確立し、現場力強化を推進していく。今後、次世代ICT基盤を海外拠点やグループ会社へも展開していくことで、伊藤忠グループ全体の競争力向上につなげていくとしている。