伸び悩んでいた「iOS 8」の適用率、ようやく60%に

Zack Whittaker (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-12-01 10:51

 2014年9月にiOS 8がリリースされて以来、ユーザーの間では新OSへのアップデートが遅々として進んでいなかったが、Appleが先ごろ公表したデータにより、iOS 8.0、8.1への移行率がようやく60%に達したことが判明した。そのデータによると、AppleのApp Storeにアクセスするユーザーの約2/3がiOS 8以上を実行しており、35%のユーザーが未だiOS 7を利用している。10月末の時点で移行率は52%だったので、この1カ月で8%も増加したことになる。ちなみにiOS 7の場合、ピーク時の移行率は78%に達していた。

 ユーザーの間でアップデートが遅々として進まない理由は幾つか考えられるが、最も大きい要因となっているのは、巨大なアップデート用データのダウンロードが必要な点と、アップデート時に巨大な空き容量の確保が必要な点である。

 アップデートの際には、数Gバイトに及ぶ巨大なアップデート用データを、無線通信を利用する「OTA(Over The Air)」でダウンロードする必要があるが、これは高速なインターネット通信を利用できないユーザーにとってハードルが高い。また、iOSデバイスの種類にもよるが、アップデートをインストールするには、あらかじめ4.7~6.9Gバイトもの空き容量を確保しておく必要がある。これは、デバイスの最小容量モデルが16Gバイトであることを考えると、法外な数字である。そのため、アップデートをインストールする際、多くのユーザーがアプリやデータの削除を強いられる。これらの問題は、デバイスをPCやMacに接続してアップデートすれば解決するのだが、今やユーザーの大半がiOSデバイスをコンピュータに接続することなく利用しているのが実態である。

 さらに、ユーザーのアップデートを阻んでいる別の要因として考えられるのが、iOS 8.0.1アップデートでさまざまな不具合が報告されたことである。Appleのアップデートに対するユーザーの信頼は、この事件によって大きく傷付けられた。

 新OSへの移行率は、Appleにとっては望ましい進捗率ではないだろう。しかしAndroid OSの場合と比べれば、これは極めて優れた数字である。たとえば、「Android 4.4 KitKat」は2014年10月末にリリースされたが、1年後の導入率はわずか30%前後に留まっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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