2014年も終わりに近づいている。気がつくと、既に2015年になっていて、懐かしい2014年には何が起きたのだろうか、と思いを巡らせていることだろう。読者の皆さんが新年を迎えるときには、既にすべてが片付いて良好な状態にあり、十分に油を差した機械のようにIT部門が円滑に機能し続けることを筆者は願っている。
では、年末に管理者が優先して行うべき作業は何だろうか。この記事では、年末までにそうした作業が完了できるように、繰り返し発生するカレンダーのイベントとして貼り付けておける、10項目のリストをまとめた。
1.アップデート
筆者は、多くの管理者がシステムをアップデートせずに済ませていることに、いつも衝撃を受けている。誤解しないでほしい。筆者はその理由を十分理解している。しかしこうしたアップデートには、重要なセキュリティパッチや、バグの修正、必要な機能追加が含まれていることが多い。残念ながら、アップデートはシステムを中断させてしまうことがよく知られている。新年が近づくなかで、その対応に迫られるというのは最もやりたくない作業だ。だからこそ、12月31日に時計の針が真夜中を指す前には必ず、全てのアップデートを完了させ、サーバとデスクトップが全て稼働しているようにしよう。
2.マルウェア対策とウイルス対策
全てのマシンに、必要なマルウェア対策ソフトウェアやウイルス対策ソフトウェアが入っているのを確認しよう。これを行うのに年末ほど良い時はない。あなたがどれだけ仕事熱心でも、セキュリティをかいくぐってしまうデスクトップは何台かあるだろう。サーバのセキュリティを強化することに忙しいかもしれないが、エンドユーザーが触ったマシンを見逃しておいてはいけない。あらゆるデスクトップとノートPCにマルウェア対策ソフトウェアとウイルス対策ソフトウェアの両方をインストールし、最新の状態にしておくように気をつけよう。そうしなければ、サーバ強化の作業があっという間に台無しになってしまいかねない。マネージドシステム(セキュリティを一元的に管理できるシステム)に切り替えるのにも良いタイミングかもしれない。
3.ユーザー関連の未処理事項
エンドユーザーはやって来ては去っていくものだ。非常に忙しく日常業務をこなす間には、ユーザーが職から離れたのに彼らのプロファイルやログイン情報、データが残っているというケースがある。そのデータは、パズルの中の「取っておくべき」ピースかもしれないが、プロファイルやログイン情報まで保存しておく必要があるかどうかは疑問だ。そこで、ユーザーのリストを確認して、整理しよう。もう会社にいないユーザーは削除する。保存しなければならないデータがあるなら、必要とする人がアクセスできる、中央リポジトリにそのデータを移動しよう。
4.「Active Directory」の掃除
「Active Directory」は、問題なく機能していれば素晴らしいものだが、動かなくなると悪夢である。面倒を起こしがちなActive Directoryプロファイルがシステムを止めてしまう可能性は低いが、そんな悪夢をいちかばちか試してみる理由はない。年末なのだから、時間を取って、Active Directoryをバックアップし、Active Directoryデータベースのクリーンアップを行うべきだ。
5.会計ソフトウェアのデータ整理
Active Directoryと同様、会計ソフトウェア「QuickBooks」は、メリットをもたらすこともあれば、失敗を招くこともある。データファイルがクリーンな状態であれば、QuickBooksはうまく作動する。データファイルがクリーンな状態でないと、ソフトウェアは重くなり、QuickBooksシステム全体がダウンすることもある。それを考えると、年末はQuickBooksデータベースをクリーンアップするのに最適なタイミングだ。クリーンアップ用に、データベースのバックアップから、クリーンアップまでのプロセスを段階的に説明する内蔵ツールがある。この作業は四半期ごとに行うことを勧める。しかしどうしても年に一度しかできないのなら、年末までには完了しているようにしよう。