Network Time Protocol(NTP)に、リモートからのコード実行に悪用される可能性がある極めて深刻なセキュリティホールが複数発見された。ICS-CERTによると、この脆弱性の悪用に高度なスキルは不要で、悪用するための具体的な手法がすでにインターネット上で公開されているという。
NTPバージョン4の4.2.8未満はすべて脆弱性の影響を受けるため、それらのNTPはただちにバージョン4.2.8にアップデートする必要がある。ただしNTPのウェブサイトは、米国東部時間12月19日17時の時点で断続的にアクセス不能に陥っていた。NTPバージョン4.2.8または脆弱性を修正するパッチを確実に入手するには、使用しているOSのベンダーに問い合わせることが推奨される。
セキュリティ系のニュース配信サイト「threatpost」のDennis Fisher氏によると、NTPのウェブサイトがアクセス不能に陥る前に公開されていたアドバイザリでは、「攻撃者は細工したパケットをリモートから送信することで、スタックバッファのオーバーフローを引き起こし、ntpdプロセスの特権レベルで任意のコードを実行できるようになる。この脆弱性はパケット1個で悪用できる」と説明されていたという。
NTPは、ネットワークに接続されたほぼすべてのコンピュータ上で、時刻を同期するために広く利用されている。しかし、NTPは「リフレクション攻撃」による分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)の踏み台として悪用されるケースが多い。実際、過去に実行された史上最大規模のDDoS攻撃の一つはNTPの脆弱性を悪用したもので、この数カ月に報告されたDDoS攻撃の多くでも同様の脆弱性が悪用されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。