SSLv3脆弱性「POODLE」、TLSにも影響--グーグルの専門家が指摘

Larry Seltzer (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-12-10 11:33

 Googleに所属するSSL専門家のAdam Langley氏は米国時間12月8日、自身のブログで多くのTLS実装に対して警告を出した。以前明らかになった、SSLバージョン3(SSLv3)に影響する「POODLE(Padding Oracle On Downgraded Legacy Encryption)」攻撃と同じような攻撃につながる脆弱性を含んでいるという。

 SSLv3は、CBCモードの暗号でデータのパディングを効果的に特定しない。そのため、ブロック暗号の整合性をきちんと確認できず、「パディングオラクル攻撃」を可能にしてしまう。SSLv3の後、仕様はTLSと改名され、バージョン1になった。TLSv1の変更点の1つとして、パディングオラクル攻撃を防ぐためのパディング処理を改善した。

 だが、TLS実装でもパディングバイトのチェックは完全ではないという。多くのTLS実装がSSLv3ソフトウェアを利用しているに過ぎず、TLS実装としては機能するがエラーのチェックはできない。

 POODLE脆弱性を悪用した攻撃が広い範囲で(狭い範囲でも)悪用されたという報告はないが、Googleをはじめ多数の企業はSSLv3接続へのフォールバックを停止し、最終的にはSSLv3のサポートをまるごと停止する作業を進めている。公式にはSSLv3は非推奨となっているが、サポートは継続されてきた。

 脆弱なTLS実装については、F5 NetworksとA10 Networksの両ネットワーク機器が影響するとLangley氏は報告している。F5はアップデートを公開しており、A10もアップデートを計画していたが、A10からの確認は得られなかった。

 Langley氏は結論として、「TLS 1.2はAEAD暗号化スイートを利用しているが、これより古いシステムは暗号の観点から見て問題がある」としている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]