まず次のような状況を想像してみてほしい。あなたは最高経営責任者(CEO)のもとに出向き、新しいプロジェクトのゴーサインをもらう必要が出てきた。
こういった場合、仲間とともにどのような準備をしておけば、その企画が持つ業務上の利点にうまく光を当ててみせることができるのだろうか?
5人の専門職にそれぞれベストプラクティスを語ってもらった。
配備までのスピードが鍵となる
「IT部門の人々は、自らの生活に張りをもたらすとともに自らのキャリアを向上させる優れたプロジェクトをこの上なく愛している」と述べるのは建設資材大手のAggregate Industriesで業務システム部門を率いるDavid Allison氏だ。しかし、このような愛着は業務に影を落とす可能性があるという。また、ビジネスケースが明確に定義されておらず、要件の存在が疑わしい場合であっても、IT部門のリーダーがそういったプロジェクトの要求を積極的に支持してしまう危険性がある。
同氏は「要求を取り扱うプロセスにおいては、ビジネスケースを分解し、健全なもののみが承認されるよう保証できる文化が必要だ」と述べたうえで、「このためプロジェクトが健全であるという想定の下、解決する問題とその選択肢、利点、リスク、期間を明確にしたプロジェクト要求をCEOに対して提示する必要がある」と続けている。
また同氏によると、理想的なプロジェクト要求はより広範な組織戦略や価値と密接に関連付けられるという。さらに同氏は「模範的な」要求には利点に対して責任を持つ上位の支援者が存在し、プロジェクトのライフサイクル、そしてそれからの一定期間を通じてその人物が責任を持ち続けるとしている。
同氏は「より投資額を抑え、よりリターンを高め、よりリスクを低減すれば、ゴーサインが得られやすくなるのは明らかだ。多くのプロジェクトがデジタルイニシアティブであることに目を向けると、配備のスピードと競合他社との差別化が鍵となる」と述べている。