次期Linuxカーネルは「4.0」--トーバルズ氏がオンライン調査で決定

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-02-24 10:59

 通常、ソフトウェアのリリース番号におけるドットの前の数が新しい数になる場合は大型リリースだ。Linus Torvalds氏は今回Linuxカーネルの番号を3.2系から4系に移行するが、これは開発者を満足させるためだ。

 「Linuxの父」Torvalds氏はGoogle+アカウントで、以前から考えていた4.0への移行についてコミュニティーの意見を聞くオンライン投票を行った。選択肢は「長大なバージョン番号が好きだし、嘘はつけない」「よく混乱してしまうから、v4.0がよい」のどちらか。この「科学的」な調査の結果、回答者の56%が4.0を選んだ。そこでTorvalds氏はそうすることにした。


オンライン投票の結果

 その前に行ったテストでは、「オンライン投票が好き」か「へへへ、私は羊だ」で尋ねたところ(Torvalds氏はこのオンライン投票は無視してよいとしていた)、「羊」の方が多く、5796人の投票者のうち62%がこれに投票した。

 4.0と3.2の投票差である56%と44%より大きな差ではあるが、4.0と3.2のオンライン投票には2万9110人が投票している。Torvalds氏はこの差を3200票程度と見積もり、オンライン投票が好きかどうかを問う投票の総数より少ないと指摘し、「雑音とみなしてよいだろう」と記している。

 このような経緯を経て、「Linux 4.0-rc1」が公開された。

 Torvalds氏は、「メジャー番号のリリースではメジャーな新機能を伴うか、互換性がなくなるべき」という考え方から4.0への移行を好まない人がいることに触れ、「ほとんど理解していない。われわれは互換性がなくなることはしないし、機能に基づいたリリースも行ったことはない」と書いている。

 一方で、「4.0を推している人は、4.1.15を見たいからだという意見が出ている」とも書いている。4.1.15は、映画「ターミネーター」シリーズに登場するアンドロイド「T-800」で使われているLinuxのバージョン番号だからだという。

 技術者がくだらないジョークやSFが好きだというのは新しい発見でもなんでもないが、4.0移行はこれが大きな動因となっている。だが4.0の実際の変更点については、それほど多くないようだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]