ベネッセホールディングスは、日本マイクロソフトをITパートナーとして位置付け、クラウドサービス導入を決定した。日本マイクロソフトが3月12日に発表した。
ベネッセでは、メールの暗号化や業務用PCのハードディスクをすでに暗号化。グループ内では「Office Suite」を使用している。
だが、メールやユニファイドコミュニケーション(UC)の基盤はグループ会社によって異なったものが使用されており、2017年前半にサポート切れになる現行のOffice Suiteの見直しにあわせてメールやUCの基盤を含めてグループ全体で「Office 365」(クラウド プロダクティビティ スイート)を導入することに決定した。
「Enterprise Mobility Suite(EMS)」の導入も決めた。EMSは、ハイブリッド環境でIDを管理する「Azure Active Directory プレミアム」、ファイルやメールなどを保護する「Azure Rights Management Services」、モバイル端末とPCを管理する「Microsoft Intune」の3つを利用できる。
すでに日本国内で多くの法人で導入が進み、実績のあるOffice 365にEMSを組み合わせることで、使い慣れたOfficeで作成されたファイル単位でより細かなセキュリティ上の管理ができ、社内外のパートナーとの共同作業での生産性を損なうことなく、権限コントロールとトラッキングが可能になるとしている。
今後の事業ニーズによるSaaS導入時にそのシングルサインオンが容易に実現でき、クライアントPCとモバイル端末の統合的な管理のもと、ベネッセのユーザーに向けてもより安心な、より良いサービスを提供できるようになるとしている。
4月からベネッセグループの情報システム機能子会社であるベネッセインフォシェルが導入を開始し、夏頃からベネッセホールディングス、ベネッセコーポレーションに展開。2015年後半から2016年中にグループ全体、約2万ユーザーへの展開を目指す。
日本マイクロソフトではエンタープライズサービス部門のコンサルタントやテクニカルアカウントマネージャーを通じて、ベネッセのEMSやOffice 365の効率的な導入と運用を支援する。
ベネッセは「お客様情報の安全性に、いちばん厳しい会社になる」というビジョンのもと、世界トップクラスの情報セキュリティの実現に向けてさまざまな取り組みを展開している。今回のマイクロソフトのクラウドサービス導入は、グループ全体のIT戦略の一環として、より高いグループシナジーの実現と従業員の生産性向上、グループ全体のさらなるセキュリティ強化実現を目指すためと説明している。
ベネッセは、マイクロソフトのクラウドサービスの導入を決定した要因として、マイクロソフトが「世界有数のサイバーセキュリティ対策の経験やノウハウ、ソリューションを保持していること」「高度な情報セキュリティ対策への取り組みに基づき開発された製品やサービスであること」「クラウドの管理やサービス運用の面でも日本データセンターにおけるサービス提供含め、安心安全なサービス体制を構築していること」「海外も含めたベネッセの多様なビジネスモデルでシステムの運用、保守、管理の面からさまざまなオプションが提供されること」などを挙げる。