Citrix Systemsはフロリダ州オーランドで米国時間5月12日から開催されている「Citrix Synergy 2015」において、数々の製品アップデートを発表している。これにより、エンタープライズモビリティ製品や仮想デスクトップ製品、アプリケーション配信製品を洗練させ、さまざまなユースケースでタブレットの使い勝手をノートPCのようにしようとしている。
ここでの大きな疑問は、タブレットよりも少し重いぐらいにまで軽量化されているノートPCを使い続ける方が、企業にとって得策かどうかというものだ。
今回のイベントでCitrixが発表している製品アップデートの概要は以下のようになっている。
- Linux仮想デスクトップの提供
- 「Citrix XenApp」や「Citrix XenMobile」「Citrix XenDesktop」のアップデート
- Citrixの生産性アプリにとどまらず、モバイルやデスクトップを横断してユーザーエクスペリエンスを統合する新たな「Citrix Receiver」の披露
- 「Windows 10」に対するサポートのプレビュー
- 「Citrix Workspace Cloud」のプレビュー
Synergyイベントでのこれらの発表と、「iPad」や「Android」搭載タブレット向けのマウス「Citrix X1 Mouse」の披露を考えあわせると、企業向けベンダーはタブレットをノートPCに近づけるために多大な努力を傾けていると判断せざるを得ない。確かに企業アプリへのセキュアなアクセスは極めて重要だが、iPad上でマウスを使うのであれば、「MacBook Air」を購入した方がよいという声があちこちから聞こえてきそうだ。
Citrixのエンタープライズソリューションマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるDave Moxey氏は「マウスに対する関心が高いことにわれわれは驚いている」と述べたうえで、「顧客は既存のアプリでタッチ操作をしたいと望んでいるが、そのエクスペリエンスは思ったほど優れていない」と語った。
同氏は、タッチ操作のみが可能なデバイス上で企業アプリにアクセスすると、使いにくい「太い指向けインターフェース」に遭遇する場合もあると述べた。
人々がタブレットの購入時に時間をかけて製品を検討した後、キーボードを(そしておそらくはマウスまでも)携帯する羽目になっているのはここに理由があるのだという。
「Windows」のエコシステムで2 in 1型のデバイスがある程度の人気を得ているのには理由がある。ノートPCを主に使用しつつも、ごくたまにタブレットを使用する必要があるという人たちもいるのだ。
タブレットは売り場での営業や、顧客とのやり取り、持ち運びという点に長けている。
しかし多くの仕事では、タブレットは使い物にならない。このため、企業向けベンダーはタブレットをノートPCに近づけようと取り組んでいる。だが、企業ニーズを満足するための最も効率的な手段は、軽量型のノートPCか、おそらくは2 in 1型のデバイスを調達することかもしれない。
提供:Citrix
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。