調査会社IDCが米国時間7月6日に発表した最新の報告書によると、2015年、クラウドITインフラへの世界的な投資額が、サーバ、ストレージ、Ethernetスイッチの市場を合算したITインフラストラクチャ投資全体の3分の1に達するという。
報告書によると、クラウドを除くITインフラへの2015年の投資は670億ドルとほぼ横ばいで推移するが、クラウドITインフラへの投資は26.4%増加し334億ドルに達すると予想されている。中でも、パブリッククラウドへの投資は最大の勢いを示しており、2015年末までに32.2%増の217億ドルに達する可能性がある。一方、プライベートクラウドへの投資はパブリッククラウドの半分程度に止まる見込みで、予想は16.8%増の117億ドル前後だ。
世界のITインフラ市場予測(2014年~2019年)
ほとんどの地域でパブリッククラウドがプライベートクラウドに比べ大幅に伸びると予想され、その理由はパブリッククラウドのベンダーがデータセンターやサービスの拡充を続けることだという。
IDCが先日発表した2015年第1四半期におけるクラウドITインフラ市場の実績値によると、同市場は25.1%増の62億7000万ドル相当まで拡大しており、今回発表された報告書の予測を裏付ける伸びを示している。
IDCのリサーチマネージャーであるKuba Stolarski氏は、「クラウドITインフラ市場は、ワークロードのクラウド移行に牽引され、今後もITインフラ市場全体を上回る成長率で急速な拡大を続けると予想される」と述べている。
2015年第1四半期のクラウドITインフラ売上高でトップに輝いたベンダーはHPで、以下Dell、Cisco、EMCと続く。これらのベンダーはいずれも売上高を大幅に伸ばしたが、特にHPの売上高は37.4%増の9億8500万ドルに達し、市場シェアを約16%に拡大した。市場シェアでみると、2位のDellは11.9%、3位のCiscoは9.3%、4位のEMCは7.2%となった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。