予想を下回った第4四半期決算を受けて、Oracleの3人のリーダーには難しい任務が課された。クラウドについては好調さを前面に押し出し、新規ソフトウェアライセンスの減少についてうまく説明し、ソフトウェアの代金を前金で受け取るビジネスモデルからサブスクリプションモデルへの移行に問題は全くないとアナリストらに納得させる、という任務だ。
Oracleが熱心に取り組もうとしているクラウドの課題をアナリストらが評価するかどうかは不明だが、要点をおさらいしておく価値はある。
Oracleの四半期と変動要素を簡単に振り返ってみよう。
Oracleはクラウドへの移行を高く評価しており、新規ライセンスの減少を心配していない。新規ライセンスの売上高は第4四半期に17%減少した。恒常通貨ベースでは、10%の減少だ。最高経営責任者(CEO)のSafra Catz氏は次のように述べている。
われわれはクラウドを販売していくつもりだ。先ほど述べたように、例えば同じ100万ドルを利益として計上するのでも、前金で料金を受け取るライセンス契約よりも、クラウド契約を望んでいる。われわれは新しいライセンス契約より100万ドルのクラウド契約を歓迎する。
判定:筆者はこの発言に懐疑的である。Oracleがクラウドに移行しようとしているのは、必要に迫られているからだ。ライセンスとサポートモデルは何年もの間、上手く機能してきた。利益を生んできたモデルが終わりを迎えようとしているのでなければ、Oracleがそれを捨てる理由などあるだろうか。
Oracleのクラウドの利幅が大きいのは、自社のテクノロジを使ってそのサービスを構築できるからである。最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏は、Salesforce、さらにはSAPまでもがOracleのデータベースを購入してクラウドを運用している、と述べた。
Salesforceは当社に多額の金銭を支払って、プラットフォームを構築している。
彼らはOracleのデータベースを実際に購入する。彼らは多額の金銭を支払って、Oracleのデータベースを購入しているのだ。ところで、われわれはSAPが同時実行を実現できるように、Oracleデータベース契約を締結したばかりだ。SAPがAribaを実行できるように、Oracleデータベース契約を締結した(これはすべてこの12カ月以内に起きたことだ)。SAPがSuccessFactorsを実行できるように、Oracleデータベース契約を締結した。われわれの経費はかなり異なる。
判定:これに関しては、Oracleの言うことも、もっともかもしれない。なぜなら、現在多くのSaaSプロバイダーが同社のデータベースを使用しているからだ。ただし、Oracleがいつまでもオープンソーステクノロジをかわせるかどうかは不明である。