カナダを拠点とするBlackBerryは現地時間7月22日、大企業や政府機関にセキュアでネットワーク化された緊急通信手段を提供する株式非公開企業、AtHocを買収すると発表した。AtHocのサービスは、緊急事態の発生時にも複数の企業が継続して情報をやりとりし、協力することを可能にするものだ。
AtHocの顧客には米国防総省や米国土安全保障省が含まれるほか、医療事業者や工業用地関連など、世界中の大規模な公益および民間企業が名を連ねている。一方、BlackBerryとしては、自社の「BlackBerry Messenger」サービスを利用することで、AtHocの既存の緊急通信システムを強化できるとの考えだ。
「AtHocは緊急通信システムだが、リッチなコンテンツも必要としており、これはBlackBerry Messenger(BBM)により提供できる。BBMでは単なるテキストだけでなく、音声、写真、動画の共有機能を備えており、これによりAtHocの顧客に、さらにリッチなユーザー体験を提供できる」と、BlackBerryの最高経営責任者(CEO)John Chen氏はReutersに対して語っている。
AtHocの緊急通信ソフトウェアを利用すれば、通常の通信手段が使えなくなるおそれのある緊急時に、重要な情報を共有することが可能になる。また、このソフトウェアは、「iOS」および「Android」、PC、Mac、無線、デジタルディスプレイなど、さまざまなデバイスやプラットフォームをサポートしている。
BlackBerryでは、AtHocのソフトウェアをBlackBerryのネットワークに統合し、顧客に提供できるセキュアなビジネス向け通信手段のオプションを増やしたい考えだ。
買収手続は11月までに完了する予定だが、具体的な条件は明らかにされていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。