Amazon Web Services(AWS)は米国時間7月28日、「AWS Mobile SDK for Xamarin」のプレビュー版をリリースした。このソフトウェア開発キット(SDK)により、「Xamarin」を用いて開発したアプリから容易にAWSサービスを利用できるようになる。
2014年10月からベータテストを実施し、フィードバックを収集していたAWS Mobile SDK for Xamarinは、このプレビュー版のリリースをもってベータ段階を終了したことになる。
Xamarinは企業向けのモバイル開発者をターゲットとしており、「iOS」や「Android」「Windows」を搭載したデバイス向けのアプリの開発をC#で行えるようにするものだ。同SDKを用いることで開発者は、ID管理(「Amazon Cognito」)やオブジェクトストレージ(「Amazon Simple Storage Service(S3)」)、NoSQLデータベース(「Amazon DynamoDB」)、モバイルプッシュ通知(「Amazon Simple Notification Service」)、アプリ分析(「Amazon Mobile Analytics」)といったAWSのリソースをより容易に使用できるようになる。
C#はWindows開発者に好まれる言語である点を考慮し、AWSはXamarinのSDKに対するサポートを、先にリリースしていた「AWS SDK for .NET」に追加した。これにより.NET開発者は、コードの記述やテスト、デバッグを、統合開発環境(IDE)の「Xamarin Studio」上や、Xamarinのプラグインを搭載したMicrosoftの「Visual Studio」上で行えるようになる。
Xamarinは同社のブログで「AWS Mobile SDK for Xamarinにより、Xamarinを用いて開発したiOS向けやAndroid向けのネイティブアプリ内から、共通のC#コードベースを使ってこれらのAWSサービスを利用できるようになる。例を挙げると、『Amazon Cognito Cloud Sync』を用いて、アプリの状態を同期させることでデバイス間をまたがったシームレスなエクスペリエンスを実現したり、『Amazon S3』のクラウドストレージを用いて、重要なドキュメントやコンテンツに容易にアクセスできる」と述べている。
Xamarinは、クラウド分野でしのぎを削る複数のベンダーと提携してきている。同社は過去2年の間にMicrosoftとの連携を強化し、Microsoftの「Portable Class Libraries(PCL)」や「Shared Projects」をサポートするほか、MSDNに加入している開発者に割引料金を適用するようにしている。
またXamarinは7月に、Oracleとの提携を発表している。この提携により、Xamarinは企業向けのコアデベロッパーとの結びつきを強化でき、Oracleはモバイル開発に弾みをつけられるはずだ。
Oracleとの提携では、XamarinがOracleのモバイルクラウドサービス向けに新たなSDKの開発を約束し、「Oracle Fusion Middleware」の顧客ベースにアクセスできるようになる一方、Oracleはモバイル開発者へのアクセスが容易になる。Xamarinによると、同社のプラットフォームは2014年11月時点で2万社以上の企業で採用されており、Fortune 500に名を連ねる企業も100社以上あるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。