AWSが圧倒、MSやグーグル健闘--ガートナーによるIaaS市場の各社評価

Jack Schofield (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2015年06月04日 06時30分

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 Gartnerによる最新のクラウド調査結果(「Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service, Worldwide」というサマリーにまとめられている)では、Infrastructure as a Service(IaaS)プロバイダーを対象とする「Magic Quadrant」で、Amazonが依然リードしている。一方、Microsoftは2014年から進歩を遂げた。しかし、IBMは2014年と比較して、(Gartnerの評価では)「実行能力」が著しく低下し、GoogleとVMwareの両社に抜かれた。

 GartnerのMagic Quadrantは、各社の「実行能力」を縦軸、「ビジョンの完全性」を横軸に据えて、それらを「リーダー」「チャレンジャー」「概念先行型」「特定市場指向型」の4つの象限に分割する。「リーダー」の象限に名前があるのはAmazonとMicrosoftだけだ。「概念先行型」の象限に名前があるのは、CenturylinkとGoogle、IBM(SoftLayer)、新たに移行したVMwareの4社のみである。

 (Terremarkを買収した)VerizonとCSCはいずれも「概念先行型」から「特定市場指向型」に移行した。CSCは2014年にも「リーダー」から「概念先行型」に移行している。一方、Hewlett-Packard(HP)は完全に姿を消した。

 IaaSクラウドインフラストラクチャは主に2つの目的にかなうとGartnerは考えている。「Mode 1」の対象は、「コスト削減と安全、セキュリティに重きを置く従来型のIT」だ。「Mode 2」の対象は、「開発者の生産性と事業の敏しょう性を重視する俊敏なIT」である。

 例えば、AmazonとGoogleの訴求対象は、主にMode 2のユーザーだ。一方、主にMode 1のユーザーに訴求するサプライヤーには、CSCやCenturylink、富士通などが含まれる(アウトソーシングに強みを持つ)。

 「『Microsoft Azure』は、Mode 1とMode 2の両方の顧客に訴求する製品だが、その理由はそれぞれ異なる。多くの場合、Mode 1の顧客はAzureを使って、インフラストラクチャ志向のMicrosoftとの関係、Microsoftのテクノロジへの投資を拡大できることを高く評価する。一方、Mode 2の顧客は、Microsoftのアプリケーション開発ツールおよびテクノロジと統合できるAzureの機能を高く評価する傾向がある」(Gartnerサマリー)

 AmazonのAmazon Web Services(AWS)は、Mode 2のユーザーにとって圧倒的な市場リーダーだ。AWSは「ソートリーダーでもある」とGartnerのサマリーには書かれている。「AWSは途方もなく革新的で、群を抜いて俊敏だ。市場対応も優れている。さらに、IaaS機能とPlatform as a Service(PaaS)風の機能を最も豊富にそろえている」(同サマリー)。AWSは市場で何年も他社を引き離してもいるが、MicrosoftやGoogleとの競争に直面し始めている。

 MicrosoftはまずPaaS分野に参入したが、その後、2013年4月にIaaSに進出した。「Microsoft Azureは急速に成長しており、市場シェアは2位だ。使用されているクラウドIaaSのコンピューティング能力は、このMagic Quadrantのほかのプロバイダー(市場シェア1位のAWSは除く)をすべて合わせたものの2倍以上である」(同サマリー)

 しかし、Gartnerによると、「(Amazonのパートナーエコシステムが非常に強力であるのに対し)Microsoftのパートナーエコシステムは依然として比較的初期の段階にある」という。「Azureのエコシステムは既存のMicrosoftの持つ関係に大きく依存している。顧客はAzureで異機種環境を稼働してはいるものの、既存の関係への依存によって、Microsoftを中心に据えていない組織に対するAzureの魅力が弱まっている」(Gartner)


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