物理的認証技術も注目
一方、物理的な手段を用いた認証システムをアピールしていたのが富士ソフトだ。同社は、モフィリアと共同開発した「指静脈認技術」を用いた外付けデバイスを紹介した。
指静脈認証とは、指の内部にある静脈のパターンを利用して認証するもの。LEDから発光された近赤外光を指静脈に当て、体内で散乱した光をCMOSセンサで撮像する。
説明を担当していた同社国際事業部営業部戦略ソリューション課長の富岡万紀氏は、「現在利用されている指紋認証は、誤検知が多かったり偽装されたりという問題が指摘されている。
その点、指静脈認証は体内にある静脈を用いるため、偽装や盗難の心配がない。すでに、トルコの医療機関や中国の金融機関などでも幅広く採用されており、アジアでのニーズは高いと確信している」と語った。
英Ernst&Youngでアジア太平洋地域サイバーセキュリティ・リーダーを務めるPaul Rourke氏
多くのアジアの企業において、内部統制や認証管理の徹底が急務であることは間違いない。英Ernst&Youngでアジア太平洋地域サイバーセキュリティ・リーダーを務めるPaul Rourke氏は、「どこの国/地域でも標的型攻撃のターゲットになっており、そこに違いはない。
ただし、急速に発展した企業を多く抱える国では、内部統制が制度として確立していなかったり、利用する側のセキュリティ意識が低かったりという課題がある。攻撃者はそうした“弱点”を見極めたうえで攻撃を仕掛けてくる。アクセス管理の徹底はもちろんだが、同時に、従業員のセキュリティ意識を向上させるような教育も急務だ」だと指摘した。
会場となったマリーナ・ベイ・サンズ・カンファレンスセンターのロビーからは、観光スポットのマーライオンが見える