日本マイクロソフト、Surface HubとWindows 10の早期導入事例を紹介

羽野三千世 (編集部) 2015年09月05日 07時00分

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日本マイクロソフト 代表執行役 社長 平野拓也氏

 日本マイクロソフトは9月3日、都内で開催中のイベント「FEST2015」のキーノートで、Windows 10を搭載する大画面デバイス「Surface Hub」を国内発表した。同日から、リセラーパートナー3社(内田洋行、大塚商会、ソフトバンク)で予約を受け付け、2016年1月に出荷を開始する。国内初の導入事例として、日本航空(JAL)が航空機の整備業務にSurface Hubを採用することを表明した。

 キーノートに登壇した同社 代表執行役 社長の平野拓也氏は、Surface Hubを「ビジネスの生産性を高め、ワークスタイルを変革する強力なツール」と紹介。「ホワイトボードのデジタル化、書きながらSkype for Businessで遠隔と対話する、ほかのWindowsデバイスとネイティブにつながるなど、新しい形のコラボレーションを実現する」とアピールした。



JALはこれまで整備工程の管理に使っていたホワイトボードををSurface Hubに置き換えた

 JALでは、航空機整備の工程管理にSurface Hubを導入する。機体整備では作業ごとに資格の異なる整備士を配置する必要があり、複数の機体整備を平行して行うためにどの作業にどの整備士を何人配置するかといった綿密な工程管理を行う。

 JAL 整備副本部長 兼 常務執行役員の北田裕一氏によれば、機体整備の作業指示は統合基幹業務システム(ERP)で管理しているが、工程組みや整備士配置は、ベテランの整備士が特大ホワイトボードとマグネットシートを使って行っているという。「ホワイトボードでの工程管理は、整備スケジュールや整備士の配置状況を直感的、俯瞰的に把握できるメリットがある。一方で、データとして記録されない、共有できないことがデメリットだった」(北田氏)

 今回、ホワイトボードをSurface Hubに置き換えたことで、その日の整備工程と整備士の配置状況がデータとして記録されるようになり、ほかの端末で共有できるようになった。「保存されたデータはノウハウになり、次の整備計画に活用できる。Surface Hubはデジタルとアナログのメリットを融合したデバイスだと感じている」(北田氏)

 Surface Hubの発表から始まったFEST2015の2日目のキーノートには、米Microsoftから、Windowsのグローバルでのプロダクトマーケティングを統括するJeremy Korst氏、Microsoft OfficeとOffice 365部門のバイスプレジデントであるJohn Case氏が登壇。Windows 10、Office 365の新機能を紹介した。

セブン&アイHDがWindows 10を早期導入

 まず平野氏が、Windows 10の早期導入事例を紹介。セブン&アイ・ホールディングスが、ワークスタイル変革のためのデバイスとして、Windows 10搭載のSurface 3(4G LTE)200台を、役員とシステム企画部に先行導入したことを明らかにした。また、Windows 10の導入を表明した大規模法人として、大和ハウス工業、ベネッセホールディングスを挙げた。


WindowsのプロダクトマーケティングのゼネラルマネージャーであるJeremy Korst氏

 続いて登壇したKorst氏は、Windows 10について、「PCやスマートデバイスだけでなく、80インチのSurface HubからIoT、HoloLensまで共通のコアで動作するようになる。これはすなわち、1つのセキュリティモデル、1つの運用ポリシーをあらゆるデバイスに適用できることを意味し、管理コストの面で大きなメリットがある」とアピール。(1)生産性、(2)セキュリティ、(3)革新的なデバイス、(3)柔軟な管理――の4つの領域で投資したと説明した。

 生産性を高めるために、Windows 7まで慣れ親しんだスタートメニューを復活させ、Windows 8/8.1では重要視していなかったキーボードとマウスによる操作に再びフォーカスしている。セキュリティ面では、アプリやデータをビジネスと個人の領域に分離する「Enterprise Data Protection」、信頼できるソフト以外は端末で実行できないように制限する「Device Guard」などの新機能を追加した。

 “革新的なデバイス”のビジョンとして、Korst氏は、「HoloLensなどのウェアラブルデバイス、銀行ATMやエレベータまでWindow 10を展開し、これらの機器をPCやスマホと同じように運用管理できる世界を実現できる」と説明。Windows 10の管理者向け機能では、「In-place upgrade」によって導入工数を削減できる点、「Dynamic Provisioning」で初期セットアップ時間を短縮できることを強調した。

エンタープライズの過半数がOffice 365導入済み


OfficeとOffice 365部門のバイスプレジデントを務めるJohn Case氏

 「Office 365は、Microsoft史上、最も急成長しているプロダクト。米国ではFortune 500の企業のうち400社が導入している」とCase氏。国内でも、エンタープライズの過半数がOffice 365 ProPlusを採用している。

 Case氏は、「平均的な企業で作られるデータ量は、2年前と比較して2倍に増えている。企業がつくるデータの30%は1年以内に老朽化すると言われており、有効なデータを効率的に活用する仕組みが求められている」と述べ、Office 365のビジネスユーザー向けに提供予定のアプリケーション「Office Delve」を紹介した。


「Office Delve」でOffice 365上でのコミュニケーションの状況を図示

 Delveは、Office 365上で自分が関わっている仕事、関わっている人々の情報を表示する。ファイルの保存先を記憶しておかなくても、Delveが自分に必要なファイルを提示する。また、メールやSkype for Business、YammerなどOffice 365のコミュニケーションツールから情報を取得し、プロジェクトごとの情報の流れや組織の人間関係を図示する。

Azure MLで判例文の自然文検索

 最後に登壇した日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 業務執行役員 本部長の佐藤久氏は、「Microsoft Azure Machine Learning(Azure ML)」を活用して新しいビジネスを立ち上げた事例を紹介した。


日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 業務執行役員 本部長 佐藤久氏(左)とイントロンワークス 専務取締役 新規事業開発担当役員 常間地悟氏(右)

 イントロンワークスは、自然文検索で判決文、法律文書を探すことができる判例検索サービス「LEAGLES」を提供している。自然文検索エンジンに、Azure MLを採用。「文書間の類似、表記ゆれなどを学習し、文章の中から重要なものを抽出する作業にAzureのMLを使っている」(イントロンワークス 専務取締役 新規事業開発担当役員 常間地悟氏)。MicrosoftのMLを採用した理由については、「法律を扱う固いサービスなので、大企業からの信頼が厚いMicrosoftのエンジンを採用した」(常間地氏)と説明した。

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