続いて、実際にOutSystem Platformを使用してウェブアプリの開発を体験することとなった。なお、OutSystemは個人向けに無料版を提供している。メールアドレスと氏名を登録することで、AWS上にOutSystem用のサーバが用意される。
登録すると、デスクトップ用のアプリ「Development Environment」をダウンロードできるので、これをインストールすると開発用の「ServiceStudio」を起動できる。
「ServiceStudio」の起動画面
今回は、簡単な連絡帳アプリを作成することになった。まずはサーバに読み込ませる連絡帳データが必要になるので、これをExcelで作成する。あくまで体験のため、シンプルな項目で2人分のデータしか作成しなかった。次に「ServiceStudio」でテンプレートから新しいアプリケーションを作成する。テンプレートには基本的なデザインやフォントセットが含まれており、日本語に対応するテンプレートも複数用意されている。
作成したExcelファイルは、「Data」タブの「Entity Diagrams」から読み込ませる。成功すると花火のアニメーションが表示され、データがOutSystemのサーバに移行する。データを読み込んだら、アプリケーションに検索画面を設定する。
これは「Interface」タブの「MainFlow」をダブルクリックし、さらに「Data」タブの「Entities」フォルダから「Employee」をメイン画面の「HomePage」にドラッグ&ドロップする。これも成功すれば花火が上がる。
「ServiceStudio」ではドラッグ&ドロップでアプリを設定していく
すると、ウィンドウ上部に緑色の「1」というボタンが表示される。これが「ワンクリック・パブリッシュ」のボタンで、これをクリックすることでプログラミングが始まる。プログラミングが完了すると青い矢印のボタンが表示されるので、これをクリックすると作成したアプリケーションがブラウザで表示される。
簡単にウェブアプリを作成
作成したアプリをブラウザで表示
また、このURLにスマートフォンからアクセスすることで、スマートフォンに最適化された状態でアプリケーションが表示される。ここまで、一切コードは書いていない。
スマートフォン向け画面も自動生成される
設定内容やデータの項目などは「ServiceStudio」から確認でき、さらに細かい設定を行ったり、機能を追加することができる。たとえばGoogleマップを表示させたり、顔写真を表示するといったことができ、松岡氏はこれらの機能を3分ほどでプログラムに追加して見せた。
さらに本格的なアプリケーションとして作り込みをしても、3時間ほどでできるという。しかも、SQLインジェクションをはじめとする脆弱性対策も万全な状態とのこと。
松岡氏はOutSystemの方向性として、一般市民がアプリを作れるように進化していくといったイメージを紹介。たとえば、母親が子供のために学校の時間割を管理するアプリを作るなど「シチズンデベロッパー」化を目指すとした。そのため今後は、ビジュアルモデリングの上に、デザインや機能の自動化をどんどん載せていき、ツールを発展させていく計画であるとしている。