AmazonをEコマースの会社だと思っているなら、認識を改めた方がいいかもしれない。Eコマースは、インフラを構築し、クラウドサービスとして販売することを正当化する口実のようなものだ。一番おいしい収益を上げているのは、「Amazon Web Services」なのだ。
Amazonの第3四半期の業績がそれを物語っている。実際にAmazonの業績報告を見てみれば分かる。Amazonの総売上高のうち、Amazon Web Servicesは8%だが、営業利益で見ると同事業は52%を占めているのだ。これは、Amazon Web ServicesがAmazonの北米のEコマース事業と同じ額の利益を上げていることを意味する。
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これがどういうことか、分かるだろうか。Amazonは北米で5億2800万ドルの営業利益を上げるのに、150億ドルの売上高を必要とした。しかしAWSは、20億8000万ドルの売上高から、5億2100万ドルの営業利益を上げたのだ。
どうやら、筆者が2008年に記した予言は正しかったようだ。当時筆者は、次のように書いている。
Amazonは、同社の「EC2」サービス用の永続的なストレージサービスを発表した。注目すべきは、Eコマース事業者である同社が、いかに素早く競争の先頭に躍り出たかだ。実際、Amazonの本当の事業は今後クラウドサービスになると予想される。Amazonは、裏口でコカインを売る本屋のような存在になるだろう。店の表側で本を売っているのは、ストレージやクラウドコンピューティングを売るための見せかけだけになる。
この警句はほぼ的を射ていたと言える。今回の業績発表の日、アナリストたちはAWSについて騒ぎ立てた。皮肉なのは、1年前にAmazonの何年にもわたる多額の投資額を声高に非難していたアナリストが、今では同じ口でその成果を絶賛していることだ。
Amazonのビジネスモデルをざっと調べてみた人であれば、そもそもなぜオンラインストアが重要なのか疑問を持ったかも知れない。最終的な利益しか見ない人から見れば(これはAmazonの姿勢とは異なるが)、同社はクラウドを第一に考え、オンラインストアは二の次に位置づけるべきだと思えるだろう。