いずれにせよ、AppleにとってAMDの買収には以下の5つのメリットがあるはずだ。
- 既製のIntelプロセッサを使うのではなく、自社で独自設計したx86互換SoCを使用できるようになる。
- 「FirePro」のような先進的なグラフィックスチップ設計を使用できるようになる(AMDは2006年に54億ドルでATIを買収している)。
- Zenと並行して開発された、開発コード名「K12」という先進的なARMチップを入手できる。
- AMDの保有する膨大な特許ポートフォリオが手に入る。
- 自社の命運をよりしっかりと統制するという、Appleが重視している価値を手にできるようになる。
AMDの損失が増えていくのであれば、向こう12〜24カ月以内に救世主を探す羽目になるはずだ。Appleにとって買収は造作もないことだろう。Appleは累計総額にして2000億ドルもの現金を持っており、今後の2年でその現金はさらに増えるはずであるため、金額差は桁違いと言えるだろう。
Appleは、筆者の知る限りAMDを買収する計画を有していないが、それでもこれは興味深い思考実験になるだろう。Qualcommによって買収されるよりもずっと面白い世界が展開するはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。