海外コメンタリー

2015年のLinuxとオープンソース--期待と失望の1年を振り返る - (page 3)

Jack Wallen (TechRepublic) 翻訳校正: 編集部

2015-12-22 06:00

 これらの数字は、スマートフォンの勃興を示す明白な証拠である。

 スマートフォンが話題に出たところで、さらに次の話題に移ろう。

Ubuntu Phone

 Linuxとオープンソースにとって、すべてが順風満帆だったわけではない。オープンソースにおける汚点を1つ挙げるとすれば、「Ubuntu Phone」をおいて他にはない。この端末は各方面から批判の集中砲火を浴びた。筆者を含む多くの人間が、Ubuntu Phoneこそがスマートフォンの世界を統べる端末になると期待し、何年も前から登場を心待ちにしていた。

 しかし、その期待は完膚なきまで裏切られた。ようやく姿を現した待望の製品は、擁護しようがないほど時代遅れの端末で、新品のガジェットを手にした喜びは数分と続かず、後は口中に苦い失望の味だけが残るという代物だった。Canonicalが何年もの開発期間と貴重なリソースを投入した結果がこれとは、にわかに信じがたい思いである。Canonicalはデスクトップと同等の体験を提供することに固執しすぎた。Canonicalは共通化されたデスクトップ体験を約束していたが、これが実現することは決してないだろう。なぜなら、そのコンセプトで最も重要な立ち位置を占めるはずのスマートフォンすら実現させられなかったからだ。

 確かにUbuntu Phoneは未だ初期段階の製品である。しかし、現状の製品から判断する限り、共通化されたデスクトップ体験を実現するまでの道程は、果てしなく、途方もなく、遠い。

 Linuxベースのスマートフォンという構想。その実現を心の底から楽しみにしていた筆者としては、かように失望を禁じえない。筆者はなんと愚かだったのだろうか。

 もちろん2015年には、本記事で紹介した以外にも、Linuxに関する喜ばしいニュースに事欠かなかった。しかし2015年は間もなく終わる。そんな今だからこそ、われわれは2016年に目を向けよう。なぜなら、2016年はLinuxがデスクトップの世界を制覇する年だからだ。

 筆者は期待しすぎだろうか……

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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