またDavis氏は、HPEの参入が少し遅めだったことも認めている。これにより同社は、以前からこの市場に参入しているEMCやPure Storage、NetApp、Dellといった競合との戦いに直面しているが、同社はそうした状況に臆しておらず、フラッシュ市場における自らの立ち位置を「ユニーク」なものだと語った。
同氏は「フラッシュのソリューションを携えてこの市場に参入するまでに少し間があったが、それは熟考の末のことだ」と述べるとともに、「われわれは従来のフラッシュストレージに存在する、妥協しなければならない点に気付いていた。それらは価格の高さと、スケーラビリティのなさ、大企業向けのデータサービスの欠如だ。このためわれわれは時間をかけ、フラッシュによる独自のソリューションをゼロから構築した。また3PARのその他のソリューションとも連携できるようにした。これによって独立したサイロが生み出されるという問題を回避したのだ」と述べた。
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「大手競合他社のソリューションにはすべて、著しい妥協やトレードオフが付きものとなっている。こういった企業の多くは創業して間もない新興企業を見つけ出して買収しているが、そのような企業の買収によって得たソリューションは既在のアーキテクチャとの連携という点で問題を抱えてしまうことになる。HPEのソリューションは、OSやデータサービス、マネジメントが既存の3PAR製品とまったく同じものになっている。この点でHPEはユニークな立ち位置に付けている」(Davis氏)
Davis氏がストレージ市場について強調したもう1つの点は、ソフトウェア定義ストレージが特にオーストラリアとニュージーランドで著しく興隆しており、2016年はそういったトレンドがさらに勢いを増していくという確信だ。同氏は、業務用のサーバやストレージ、ネットワークを単一の筐体に収納したハイパーコンバージドアーキテクチャの採用が増えるとともに、このトレンドが加速されていくと述べた。
Davis氏は、これによりHPEが2016年に同社のソフトウェアサービスとパフォーマンスサービスのフェデレーションを実現しつつ、既存製品を拡充し、新製品を追加していくのは必然的な流れだと語った。
同氏は「この市場をウォッチしていれば、HPEによってソフトウェアとパフォーマンスのフェデレーションが可能になることが分かるはずだ。今日ではパフォーマンスのすべてがフェデレーションされており、ソフトウェアのすべてもフェデレーションされている。やがては、ソフトウェアとパフォーマンスを横断したフェデレーションが可能になるはずだ」と述べた。
「われわれは、パフォーマンスのフェデレーションを可能にする数少ない企業となり、ソフトウェアのフェデレーションを可能にする数少ない企業となる。既にわれわれはリードする立場にある。これら2つを横断したフェデレーションを可能にする努力を続けるなかで、われわれは市場でとてもユニークな位置に付けるはずだ」(Davis氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。