10.1型Windows 10タブレットの文教モデル「ARROWS Tab Q506/ME」
佐賀県教育委員会が、2016年4月に県立高校に入学する生徒が学校で購入できるBYOD端末として、富士通が2015年11月にリリースした10.1型Windows 10タブレットの文教モデル「ARROWS Tab Q506/ME」を選定したことが明らかになった。ただし、デジタル教材の多くがWindows 10に未対応であるため、OSはWindows 8.1にダウングレードして使用する。
佐賀県では2014年度から、全県立高校で入学時にWindowsタブレット端末の購入を義務付け、BYODの1人1台PC環境で授業を行っている。2014年度、2015年度は「Windows 8.1 、Proを搭載するキーボード着脱式のPC」を指定し、生徒が学校で購入できる推奨端末として、2014年度は「ARROWS Tab Q584/H」、2015年度は「ARROWS Tab Q555」を選定している。県教委によれば、ボリュームディスカウントと助成金により生徒の負担額を1台5万円に抑えたため、2014年度と2015年度に入学した全生徒約1万4000人全員が、県教委が選定した推奨機種を購入した。
2016年度は、推奨端末として富士通が2015年11月にリリースしたWindows 10タブレット「ARROWS Tab Q506/ME」を選定した。前年度までと同様の価格帯で生徒に販売する予定で、新入学生全員が購入する見通しだ。
ARROWS Tab Q506/MEは、富士通が“最強文教タブレット”と位置付けるモデルで、ハードウェアの設計自体を文教向けに最適化している。まず、学校の机から落ちにくくするために、タブレット本体の縦幅を短くし、重心が低くなるように設計した(「Shool Ratio」形状)。加えて、机から落下しても衝撃が伝わりにくい筐体設計になっている。インタフェースの配置は、タブレットを持ち上げたときに手にかからない「School layout」(ポートをタブレット側面の上側に集約したレイアウト)を採用している。
特に、授業で利用頻度が高いペン入力の機能が向上している。ARROWS Tab Q506/MEはオプションで鉛筆のように6角形をしたスタイラスぺンを用意。このペンは2048諧調で筆圧を検知し、「紙に鉛筆で書くのと同じような感覚を実現する」(富士通 公共・地域営業グループ 文教ビジネス推進統括部 統括部長 兼 小中高ビジネス推進部 部長 纐纈芳彰氏)。ペンを紐で結ぶためのホルダーは、右利きの人、左利きの人の両方が使いやすいよう左右に2カ所取り付けた。
標準OSはWindows 10 Pro(Windows 10 Home、Windows 8.1 Proにも対応)、CPUにインテルAtom x5 Z8500、メモリ4GBを搭載する。重量は約685g、バッテリー駆動時間は約10.3時間。
佐賀県教育委員会によると、現時点で、使用しているデジタル教材の多くがWindows 10に未対応であるため、2016年度は、納品時にARROWS Tab Q506/MEのOSをWindows 8.1 Proにダウングレードした上で、生徒に配布する予定だという。