Oracleは米国時間1月19日、2016月最初ののCritical Patch Update(CPU)を公開した。同社は3カ月ごとに、自社の各製品に対するセキュリティパッチ群を、CPUとして公開している。
今回のCPUではさまざまな製品に対する248件のセキュリティパッチが提供されている。対象には、「Oracle Database Server」「Oracle GoldenGate」「Oracle Fusion Middleware」「Oracle Enterprise Manager」「Oracle E-Bussiness Suite」「Oracle Supply Chain Products Suite」「PeopleSoft Enterprise」「Oracle Java SE」「Oracle Linux and Virtualization」「MySQL Server」などをはじめとする、同社の多くの製品シリーズが含まれる。詳しいリストについては、Oracleのアドバイザリを参照して欲しい。
この中でも、特に修正されている脆弱性の深刻度が高い製品は、Oracle Database Server、Oracle GoldenGate、Oracle Java SEだ。
Oracle Database Serverでは7件の脆弱性が修正されているが、そのうち1件のCVSS Base Scoreは9.0となっている。CVSS Base Scoreは脆弱度を評価するスコアで、大きいほど深刻度が高く、最大で10.0までの値を取る。この脆弱性はOracle Database ServerのJava VMコンポーネントに存在するもので、これを悪用するためには、Create Session権限が必要となる。ただしこれはWindows用の12cよりも前のバージョンを対象としたもので、それ以外のものについてはスコアは6.5となっている。今回修正された7件に、リモートから悪用可能な脆弱性は含まれていない。
Oracle Golden Gateには3件の脆弱性に対するパッチが公開されているが、これらはすべてリモートから悪用可能で、うち2件はCVSS Base Scoreが10.0だ。ただし、このスコアはOracle Database Serverのスコア9.0の脆弱性と同じく、Windows用の12cよりも前のバージョンのものを対象としている。
また、今回のCPUには、Java SEに対する8件のセキュリティパッチが含まれており、そのうち7件が、認証なしでリモートから悪用可能だ。管理者権限を持つユーザーのリスクは、持っていないユーザーよりも高くなるため、注意が必要となる。
Oracleは、パッチ公開後はその内容を分析して攻撃コードが開発されることが多いとして、できるだけ速やかにパッチを適用することを強く推奨している。