2016年はオールフラッシュ元年でコンバージドプラットフォーム元年:EMC

三浦優子 2016年02月25日 08時00分

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 EMCジャパンは2月23日、2016年の事業方針説明会を開催した。

 同社は、提供する製品群をIDCが提唱する“Platform 2(第2のプラットフォーム)”と“Platform 3(第3のプラットフォーム)”の2つに分類。そして第2のプラットフォームに属する製品を既存アプリケーションのコスト効率向上を実現するための“ITトランスフォーメーション”と、第3のプラットフォームに属する製品を次世代アプリケーションによる企業競争力向上を実現するための“デジタルトランスフォーメーション”に分類して、「この2つのプラットフォームをよりわかりやすく実現していく」(代表取締役社長の大塚俊彦氏)方針だ。

 具体的には、ワールドワイドの戦略として「2016 THE YEAR OF ALL FLASH(2016年はオールフラッシュの年)」という標題を掲げる。「この標題はグローバルのものだが、日本でも同様の動きが起こる。今年はオールフラッシュ元年となる」(大塚氏)とオールフラッシュストレージの普及が本格化すると説明する。また、コンバージドプラットフォーム製品がデータセンター技術の変化によって普及すると見て、価値を訴求し、「コンバージド製品も元年となる」とアピールする。

 日本法人の重点施策としては、「お客さまへの貢献」「パートナー協業の強化」「ライフサイクルアプローチの強化」「Great Place to Work(働きがいのある会社)の推進」を進めていく。

 デルとの関係については、「現段階では特にお話できることはない」としたものの、両社の戦略的提携製品については、「取り扱いパートナー数を倍増させることは計画している」(大塚氏)という。

2018年にはハイブリッドアレイを逆転

 EMCは、米本社の事業年度が12月期末となっていることから、1月から新年度を迎えている。

 2015年度のハイライトとしては、全事業のグローバル成長率は5%となり、「業界成長率を上回る成長を実現した」と業績面での好調さをアピールした。ストレージの「XtremIO 4.0」や「VMAX 3」、コンバージドプラットフォームの「VCE VxRack」や「VSPEX BLUE」など新製品を投入。オールフラッシュのXtremIOシリーズはグローバルの売り上げが3億ドルを超え、VxRackやVSPEX BLUEなどのコンバージドプラットフォームはグローバルの売り上げが30億ドルを突破した。

EMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏
EMCジャパン 代表取締役社長 大塚俊彦氏

 「日本でも、外付けストレージ市場で第3四半期にシェア2位に上昇、XtremIOがオールフラッシュアレイ市場でナンバーワンシェア、NAS市場でナンバーワンシェアを獲得することができた」(大塚氏)

 こうした実績を受け、これまでのEMCの15年間、さらに今後の15年間を見て、「これまでの15年間はIT部門が企業の基幹プロセスの効率化、サービスレベルの向上に注力してきた。これが今後の15年については、次世代アプリケーションによる企業競争力向上+既存アプリケーションのコスト効率向上を実現するデジタルトランスフォーメーション、ITトランスフォーメーションの両輪がポイントとなるのではないか」と説明した。

 この見方を、ITトランスフォーメーションは第2のプラットフォーム、デジタルトランスフォーメーションは第3のプラットフォームにあてはめ、製品をこの2つのビジョンと、ソリューション、コンバージドプラットフォーム、ストレージプラットフォームの3つに分類。「今年度は、この2つのトランスフォーメーションをよりわかりやすく実現していく」と説明した。

 ストレージプラットフォームについても第2のプラットフォーム、第3のプラットフォーム、キャパシティ、ハイパフォーマンスという4つの軸で分類し、アピールしていく。

 ストレージについては、(1)IT部門のコスト効率最適化を目指した高速化、高可用性を実現する、パフォーマンス重視の「オールフラッシュ」、(2)IT部門のコスト効率最適化を目指した、事業継続計画(BCP)やデータ保護のキャパシティを重視する「統合バックアップ」、(3)次世代アプリケーションによる競争力強化を実現する、超高速、大量データに適した「ウェブスケール」、(4)次世代アプリケーションによる競争力強化を実現する、大容量、コスト最適化を可能とする「スケールアウトファイル/オブジェクト」――という4象限に分類した。

 オールフラッシュストレージについては、ハードディスクとの価格比較になることが多いことから、「プロダクトの価格だけでなく運用や保守、設置スペース、電気代といったトータルなコストとの比較が必要。今年にはTCO(総所有コスト)で比較して逆転される年になる」とアピール。単価の比率についても2017年頃にはほぼ同等となり、2020年にはオールフラッシュストレージが7倍となると説明する。

 XtremIOはもともとEMCがハイエンドストレージで培った技術をオールフラッシュに投入していることから、「ミッションクリティカル領域にオールフラッシュストレージが活用できる」ことを特徴だとする。事例としても、カカクコムでは物理ストレージを80%節約し、IDCフロンティアでは“ワンコインクラウド”の支援として導入し、従来の2~40倍のIOPSを実現するパフォーマンス向上を実現した。

 コンバージドプラットフォームについては、「昨年まではコンバージドシステムと呼称することもあったが、今年度からコンバージドプラットフォームに呼称を統一する」と説明。「データセンター技術ではコンバージドプラットフォーム元年となる。2018年にはハイブリッドアレイを逆転するだろう」と説明した。

 コンバージドプラットフォームがもたらす価値としては、アプリケーション数を4.6倍、ダウンタイムを96%削減、新サービス投入までの時間を4分の1に短縮、現状維持にかかる時間も41%短縮できるという。

 「オールフラッシュ、コンバージドプラットフォーム、ハイブリッドクラウドと最新鋭ビジネスビジネスプラットフォームを提供する」(大塚氏)

 日本法人独自の施策としては、「営業力強化につきる。お客さまのパートナーとして信頼を得て、認知してもらうための活動を進めていく」と大塚氏はアピール。

 ライフサイクルアプローチの強化としては、「ストレージだけでなく、ソリューションとしてのアプローチを強化し、アーキテクチャレベルからアプローチできる技術者を育成していく」方針だ。パートナー協業の強化として、クラウド事業者との連携を一層推進していく。

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