米国防総省は米国時間3月2日、同省が公開している一部ウェブサイトのセキュリティをテストするため、審査を受けたハッカーにそれらのサイトに侵入できるかどうかを試してもらうプロジェクト「Hack the Pentagon」(「国防総省をハッキングせよ」の意)を発表した。パイロットプログラムの一環である同プロジェクトは、米政府が「バグ発見報奨金」を提供する初の事例だ。
このプロジェクトは民間部門からヒントを得て、バグ発見報奨金という概念を採用した。多くの企業は、ユーザーを危険にさらすおそれのあるバグやセキュリティ脆弱性を発見したハッカーに対し、報奨金などの報酬を提供している。例えば、Facebookは2015年、バグを発見した210人の研究者に93万6000ドルを支払ったことを明かしている。
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同省によると、4月に開始予定のHack the Pentagonは、同省のアプリケーションやネットワーク、ウェブサイトの脆弱性発見を目的とする一連のプログラムの第1弾だという。
近年、ハッカーが同省を含む重要な政府サイトに侵入するようになったこともあり、サイバー攻撃は米国にとって、ますます深刻な問題になっている。ハッカーがより高度な手法を用いるようになったため、米国はサイバーセキュリティ対策を強化する革新的な方法を見つけて、重要な情報がテロリストやならず者国家といった敵の手に渡るのを防ぐ必要に迫られている。
このパイロットプログラムは、誰でも参加できるわけではない。ハッカーと研究者は登録して身辺調査を受ける必要がある。プログラムの対象になるのは、一部のウェブサイトのみだ。ミッションクリティカルなシステムに含まれるネットワークは対象外になる。同省によると、参加者は功績に対して金銭的な報酬などの謝礼を得ることもできるという。
Hack the Pentagonは、米政府の「Cyber National Action Plan(CNAP)」の方針とも一致している。Obama政権が2月に発表したこの計画では、政府や民間部門、米国民をサイバー脅威から守る能力を高めるため、190億ドル以上をサイバーセキュリティ対策に投じる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。