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ドローンはPCと同じ--大競争時代へ テラモーターズの徳重CEO - (page 3)

松下康之 山田竜司 (編集部)

2016-04-14 15:56

 まずはドローンによる土木測量の領域に進出しようというのがわれわれの計画です。土木測量で重要なのは、現場の切土や盛土など土量の精度です。人が実施する測量は精度は高いのですがその分、時間やコストがかかります。一方、ドローンによる測量では全体の8割以上の地点で20センチ以上の誤差が発生しているというデータもあります。われわれは5センチ前後の誤差で測量できます。この点が鹿島など大手ゼネコンにも採用される要因になりました。


テラ・ドローンでは土木測量により既存の測量方法より大幅な時間短縮とコストダウンを見込み、精度も高めたという(テラモーターズ提供)

 また、ドローンで獲得したデータは、これまで収集できなかった空からの情報ですから、さまざまな分野に応用できると考えています。一例では農業分野における耕作物の管理などが挙げられますが、都市部では歩行者を認識し特定の人物を見つけ出すなど、IoTの1つとして、他のセンサと組み合わせて総合的な活用が見込めると予測しています。

――ドローンのビジネスを展開する上で注力することは。

 ドローンに関してもスタンスは同じです。現場に行く、顧客の欲していること、問題を理解する、全てはそこからです。実際のビジネスの肝なのかは現場に行かなければわかりません。米国では自動運転や配送の部分にドローンの活用というのが話題になっていますが、日本では事情が違う。日本でドローンのビジネスを進める時に「自動運転がキラーアプリケーションになる」という人がいるとすれば、現場に行ってないなと思ったほうがいいです。

 実際にドローンのビジネスに進出すると決める前にもさまざまな領域、例えばAIやビッグデータ、ロボティクスなども調査をしましたが、先ほどお話した「現場力、スピード、グローバル展開」というわれわれの強みをそのまま活かせるのがドローンだったということです。これはシリコンバレーのVCなどに説明すると非常によく理解してくれます。

――ドローンビジネスの目標は何か。

 現在の計画では初年度10億円の売り上げを目指しています。ただ、ハードウェアを売るEVとは違い、サービスであるため売り上げ規模は低いかもしれません。一方で、利益率の高さは期待できます。土木測量だけではなくて、例えば橋梁の検査などの業務にドローンを使えば、定期検査を効率化できます。

 そうしたニーズをとらえ、現場に徹底的にこだわり、素早く行動するわけです。もちろん、グローバル展開を見据えての応用も検討しており、実際に多くの引き合いがあります。

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