サイバーエージェントの子会社でモバイルインターネットビジネスサイトの開発を手掛けるシーエー・モバイルは、OpenStackクラウドソリューションを使用して、自社のウェブサイトをサポートするインフラストラクチャを構築した。サーバのデリバリ速度を大幅に高め、OSのインストールやサーバのプロビジョニングに要する時間を当初の半日から10分間に短縮したという。ソリューションを提供したレッドハットとデルが4月11日、ユーザー事例として公表した。
シーエー・モバイルでは、多数の人気アーティストのモバイル戦略やウェブサイト構築、運用をサポートしているため、自社で構築したインフラ環境の稼働を維持しつつ、環境の変化とトラフィックの急増に迅速に対応できる最新のインフラストラクチャを構築する必要があったという。
同社では以前、システムのほぼすべてをオンプレミスの物理サーバを通して運用しており、新曲やイベントの発表時にアーティストのサイトで突然発生する急速なトラフィックの変動に時限的にパブリッククラウドサービスを使って対応する場合もあったとのこと。こうしたことから、社内のサーバではダイナミックなトラフィックの増加に追従できないと判断ウェブトラフィックの急激な増大による環境の変化に、手作業での介入や頻繁なメンテナンス作業なしで自動的に対応できるインフラを求めていた。
そこでシーエー・モバイルではオープンソースクラウドプラットフォームのOpenStackに着目。導入したのは、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」と、サーバ「Dell Power Edge R630」およびストレージ「Dell Storage PS6210S / PS4100 アレイ」を組み合わせた「Dell Red Hat Cloud Solution」だ。
導入後さっそく、人気アーティストのウェブサイト用のプラットフォームとして本番環境での稼働を開始したとのこと。
シーエー・モバイルは、この新しいインフラでの第一目標として、複数の仮想マシンを備えた環境を自動的に構築するオートスケーリングをOpenStackの機能により短期間で実現し、さらに、Red Hatトレーニングによる、実際のワークロードを使ったネットワーク設定やインフラストラクチャ管理等の実運用作業を行うハンズオントレーニングを通して、OpenStackのスキルを習得した。
トレーニング開始から5日で、シーエー・モバイル インフラシステムグループのメンバーはRed Hat OpenStack認定資格を取得したという。