JEITA会長に日立製作所の東原社長:IoTの社会実装を進めていく - (page 2)

大河原克行

2016-05-30 12:12

 東原氏はまた、「われわれはシーズから入る、あるいはモノから入ることが多い。ベンチャー企業は、課題は何でどう適用するか、といったシーンから入ることが多い。そうしたアプローチの異なるベンチャー企業と連携することで、技術から入るのではなく、シーンを定義して、バリューを提供できるようになることを期待している」と語った。

 海外の企業や団体との連携としては、「会員企業のグローバルな事業展開をより一層促進するためにさまざまなルールづくりなどを海外の企業や団体と協調し、事業環境の整備を進める」と解説した。

 「伊勢志摩サミットの開催に先立ち開催されたG7情報通信大臣会合に向けて、JEITAは、欧米のパートナーと協同提言を公表し、国境を越えた自由なデータ流通の促進、国にデータを抱え込むデータローカライゼーションをなくすための取り組み、サイバーセキュリティの向上など6つの項目をG7各国政府に提言した。これらの事項が合意されることを期待している」

CPS/IoTの一大展示会に

 10月に開催されるCEATEC JAPANを「最先端IT・エレクトロニクス総合展」から「CPS/IoTエキシビション」へと変更し、CPS/IoTの一大展示会に生まれ変わることについても説明した。

 「今年は、CPS/IoTを推進することになるが、これを発信する場がCEATEC JAPANになる。CEATEC JAPANの名称は変わらないが、中身は大きく変化していくことになる。これまでは、電子部品メーカーやセットメーカーの展示が中心であったが、会員企業に加えて、異業種企業、ベンチャー企業、海外の企業や団体にも新たなCEATECに参加してもらい、幅広い企業が集うことで、CPS/IoTによって、つながりが深まる社会や未来を見せる場を目指す。異業種とつながる、ベンチャーとつながる、そしてデータとデータがつながることで企業の枠を越えた連携が生まれる」

 東原氏は「また、政府との連携も重要であり、経済産業省と総務省により設置されたIoT推進コンソーシアムとの連携も図る。2020年の東京五輪も見据え、オールジャパンで日本の技術やサービスを世界に向けて、大きくアピールする。CPS/IoT時代の新たなサービス、ソリューションを日本から世界に発信し、日本のモノづくりの強さを発信し、IT・エレクトロニクス産業の発展、日本の経済や社会の発展に貢献したい。ビジネスにもっと近付けた形での展示を行いたい」と意欲を語った。

経済が不透明なのは事実

 5月26~27日に開催された伊勢志摩サミットで安倍晋三首相が、現在の世界経済の環境を捉えて、今後、リーマンショック級の経済危機の発生を懸念する発言をしたことに対しては、「大企業や中小企業といった立場、業界によって、感じる肌感覚の違いもあるだろう。リーマンショックは突如として起きたものである。安倍首相の発言は数字を見て、そうした傾向にあることを指摘したのだろう」と語った。

 「IT・エレクトロニクス産業は、厳しい経済環境にあるとの認識は持っている。スマートフォンの成長にブレーキがかかっており、将来的な動きについても厳しく見ている。不透明であるのは事実だ」

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