米IBMは6月2日、コグニティブ機能を搭載したソフトウェア定義インフラソリューションの製品ラインを拡充したと発表した。インテリジェントな資源やワークロード管理ソフトウェア「IBM Spectrum Computing」を新たに提供する。コンピューティング資源の管理性を改善し、アプリケーションやアナリティクスからデータに基づく知見をより迅速に得られるようにするもの。
また、データサイエンティストや開発者による「Apache Spark」の採用を促すため、同ソフトウェアの主要コンポーネントを提供する。
Spectrum Computingは、次世代アナリティクスの促進を目指し、IBM開発者とユーザーの連携によって2年がかりで開発した。企業がデータの価値を十分に引き出し、性能が求められるアナリティクスや機械学習を容易に高速化できるように設計した。同時に複数のアプリケーションを管理して資源を再割り当てし、より迅速に成果を得られるほか、効率性の高いマルチテナントスケジューリング機能により、可用性やセキュリティを損なうことなくデータと資源を共有できるようにする。
がん治療を改善する遺伝子配列の決定、エンジニアによるチャンピオンシップで優勝するようなF1カーの設計、銀行員による新たな顧客を獲得するための金融サービスのパーソナライズなど、さまざまな業界で活用できるとしている。
これにより、コストを管理すると同時に、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、ビッグデータ/アナリティクス、HadoopやApache Sparkなどのオープンソースフレームワークで迅速に成果が得られるようにする。
同製品には、以下の3つの新たなソフトウェア製品が含まれる。
- IBM Spectrum Conductor
- IBM Spectrum Conductor with Spark
- IBM Spectrum LSF
クラウドアプリケーションやオープンソースフレームワークと連携し、複雑化するアプリケーションが資源を共有できるようにする。分析結果が得られるまでの時間を短縮するとともに、ライフサイクル全体を通じたデータの保護、管理を実施する。
ビッグデータ/アナリティクスのオープンソースフレームワークであるApache Sparkの導入を容易にする。従来比で最大60%高速に分析結果を得られるという。
柔軟で使いやすいインターフェースを備えた包括的なワークロード管理ソフトウェア。企業の研究開発および設計作業を最大150倍高速化し、同時に高度な資源共有と使用効率の向上によりコストを管理するという。