NEC、顧客一人ひとりのプロフィールを自動推定するAI技術を開発

NO BUDGET 2016年09月02日 15時51分

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 NECは9月2日、顧客一人ひとりの趣味や嗜好といった詳細なプロフィールを、マーケティングの専門家が関与することなく高精度に自動推定できる「顧客プロフィール推定技術」を開発したと発表した。NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つと位置付けられ、公開データを用いてその有効性を検証した結果、専門家では3カ月を要した分析を3日で実施でき、かつ精度でも専門家を上回ったという。

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 今後は、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、ECサイト、ポイントカードシステム事業者などの小売流通分野への適用を視野に技術の研究開発を進めていく。

 近年のマーケティングでは、顧客一人ひとりの価値観をとらえた“個”のマーケティングが注目されている。そのためには各人の詳細なプロフィール情報が必要となるが、年齢、性別などの基本プロフィールは比較的容易に入手できるものの、職業、嗜好、年収などの詳細なプロフィールは入手が困難だ。

 そこでこれまで、入手可能な基本プロフィールから詳細プロフィールを推定する、あるいは購買履歴(ID-POS、ポイントカードなどから得られる顧客情報を含む購買履歴データで、「誰に何が売れたか」を把握できる)をもとに商品と顧客の特徴を結びつけて詳細プロフィールを推定していたが、これらは分析精度や手間の面で課題があった。

 それに対し、今回開発した技術では、NEC独自の関係マイニング技術に基づき、基本プロフィールと購買履歴から、顧客一人ひとりの詳細なプロフィールを高精度かつ全自動で推定。これにより、刻々と変化するライフスタイルへの対応や、見逃していた“個”の真のニーズの素早い発見、施策立案が可能になるという。

基本プロフィールと購買履歴から、詳細プロフィールを自動推定

 関係マイニング技術により、顧客の基本的なプロフィール情報と購買履歴を入力するだけで、人手による商品へのラベル付け作業等を全廃した全自動プロセスを通じて各顧客の詳細なプロフィール情報の推定結果を出力。

 検証では、公開されている映画レビュー情報から、映画レビューサイト利用者の基本プロフィール(年齢、性別)と視聴履歴(購買履歴データに相当)100万件を使い、従来3カ月かかっていた分析時間を3日という短時間で顧客一人ひとりの詳細プロフィールを推定することができたという。

図1

仮説の生成と検証を繰り返し、専門家を上回る推定精度を実現

 商品の購買履歴を参照して顧客一人ひとりの詳細プロフィールの仮説を作り出すAIと、一部の顧客が回答したアンケート結果を参照して仮説の正しさ検証するAIの2つが相互に連携し、「仮説の生成 → 検証 → 仮説生成へのフィードバック」というサイクルを繰り返すことで、分析者の主観を混入することなく詳細プロフィールを推定していく。このサイクルを高速に何度も回すことにより、専門家の分析結果を上回る精度で顧客の詳細プロフィールの推定を実現する。

図2

 なお、本技術は顧客の詳細なプロフィール推定だけでなく、商品属性(商品DNA、「その商品がどのようなライフスタイルの顧客に購入されるか」を表すラベル情報)の推定にも応用することが可能。例えば、専門家が一部の商品に付けた商品DNAのラベルを用い、残りの商品の商品DNAを自動で付与できる。これにより、専門家によって商品DNAを付ける分析作業がなくなるため、コストを劇的に軽減することも可能という。

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