ストレージをオールフラッシュにすることで、社内のITやビジネスの何が変わっていくのか。フラッシュストレージに関わるベンダー5社に集まっていただき、座談会を開催した。今回は4回目。参加したのは以下の5人。(第1回、第2回、第3回)
- ソリッドファイアージャパン 技術部長 松浦敦氏
- 日本IBM ストレージ・システム事業部 ビジネス開発 今井達也氏
- EMCジャパン XtremIO システムエンジニア 水落健一氏
- 日本ヒューレット・パッカード プリセールス統括本部 ストレージ技術本部 ストレージ技術2部 シニアITスペシャリスト 岩野義人氏
- ピュア・ストレージ・ジャパン SE部長 志閒義治氏
導入後のイメージを考えられるか
――実際にIT部門がフラッシュストレージを運用する上で配慮すべき点や、ビジネス的に優位になるために有効なことは何でしょう。
EMCジャパン XtremIO システムエンジニア 水落健一氏
水落氏 私が担当した顧客ではスピードや運用性などそれぞれ状況は違いますが、導入前にあった問題が払拭されたというケースはあるものの、導入後に何か問題が出たというケースは本当にないのですね。一方、「導入すれば分かります」とわれわれが伝えても、心理的障壁を越えることはできません。ただ、導入後はみなさん「本当だったね」と。
導入した後は何も問題がないため、多くのお客様も「もっと早く導入すればよかった」と。ただ、フラッシュストレージを導入したからではなく、それによって何か効果が出るからうれしいわけです。顧客がビジネス的に優位に立ってもらう手伝いができるストレージがオールフラッシュだと思っています。
ストレージでビジネスを優位に進めるためのスピードを上げる、コストを削減するというのはもちろんですが、最近スケールアウト型ブロックストレージ「XtremIO」で考えているのは、データのコピーを上手く取る機能により、データを効率よく回すということが顧客のビジネスに直結できるのでは、という点です。
コピーしたデータを管理してストレージをコピーするとはどういうことか。例えば、本番データ、プロダクションのボリュームからスクリーンショットを取る、クローンを取る、専用のアプライアンスを持ってくる、アプリケーション上でコピーするなど、いろいろな方法があると思います。その方法によって、コスト的にも、時間的にもメリットが生まれてくると思います。
サーバでコピーしようとするとリソースを使い、結局そのスナップショットは本番データに影響があると思うのですね。われわれは本番データと同じようなところで同じように速く、ハンドリングができるコピーがいいのではということで、XtremIOでは「Virtual Copy」という本番データと全く同じような操作性を持つコピー機能を持っています。