HDDベースは淘汰される--「高い」を払拭するオールフラッシュストレージ

怒賀新也 (編集部) 2015年04月08日 07時00分

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 ビジネスのIT依存度が高まる中で、さまざまな場面でパフォーマンスのボトルネックを意識するユーザーが増えて来ている。そのボトルネックの発生場所の1つがストレージだ。長い間、ハードディスクベースのストレージ機が中心だったが、最近になってディスクを用いず、すべてフラッシュで構成するオールフラッシュストレージへの需要が伸びているようだ。

 オールフラッシュストレージを提供する米PureStorageは、1月に終了した2014年度の売上高を前年比4倍以上に増やした。日本でも、NTTぷららやレコチョクが仮想データベース基盤として、立教大学や三井住友建設が仮想デスクトップ基盤(VDI)のストレージ環境として、PureStorageの機器を採用している。

米PureStorageのCEO、Scott Dietzen氏はオールフラッシュストレージの革新性を強調した
米PureStorageのCEO、Scott Dietzen氏はオールフラッシュストレージの革新性を強調した

 来日中の最高経営責任者(CEO)、Scott Dietzen氏は「従来型ストレージは淘汰されるだろう」と自信を見せた。ユーザーの声がその言葉の裏付けになっているようだ。

 ある企業は「50カ所の流通センターで在庫を最適化し、2カ月で500万ドル節約した」という。また、「10Tバイト以上のデータベースでのバッチ処理が7日間から24時間に短縮した」「従来型ストレージ要件と比較し、より少ないソケットとコア数でサーバを調達できることで、データベースのライセンス費を600万ドル削減できた」といった声が届いている。

 LinkedinやWorkday、Skullcandyなどが導入。Skullcandyは、オールフラッシュ上に新規の仮想マシンを構築し、アプリケーションを稼働させている。データセンターでの設置面積だけでなく、サーバやデータベースのライセンスコストも削減した。

フラッシュストレージのコスト問題

 フラッシュストレージは、処理の高速性という利点がある一方で、価格が高いというイメージがあり、これが依然としてユーザーに根づいているという。

 だが、実際のところ、物理的なフラッシュストレージの価格はここ数年で大きく下がっている。「物理フラッシュの価格は2年以内にディスクと同等レベルになる」とDietzen氏。

 また、150Tバイトの実行容量で比較した場合に、ディスクベースでは70Uのスペースと毎時11万4400kWの電力が掛かるのに対して、フラッシュでは10Uのスペース、毎時1万7500kWの電力で済むという。また、シンプルな構造でプロビジョニングやキャッシュ管理などの制御がしやすいため、ソフトウェアでデータセンター全体を管理するSDDC(Software Defined Data Center)を実現しやすいのも利点として挙げる。

鍵を握る圧縮と重複排除

 さらに、コスト面でPureStorageがアピールするのが、データの重複排除と圧縮の技術だ。圧縮率と重複排除率を掛け合わせて計算するデータの削減率で、NTTぷららは容量を5分の1に、立教大学は10分の1に減らした。ほとんどの導入企業が、重複排除と圧縮機能が導入のポイントとして挙げる。データを削減した分だけ、ストレージ容量は少なくて済むからだ。

 物理的な機器の価格下落に加え、データ容量の圧縮機能などを組み合わせることで、「高い」というフラッシュのイメージが払拭されていく可能性もある。

 オールフラッシュストレージ市場には、PureStorageに加え、EMC、IBM、HP、Oracle、Dell、Hitachi Data Systems、Dellなど多くの企業が参入を表明している。

 現状は、VDIをはじめ新規に構築するシステム向けにオールフラッシュを採用するケースの方が比較的多いという。今後、既存システムのリプレースに導入する動きが増えるのかなどによっても普及の速度が変わってきそうだ。

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