データセンターの現場から

データセンターの選び方--スキルと経験に基づいた運営を要求

伊藤 久(アット東京 理事)

2016-08-09 07:00

 第1回 はデータセンターの省エネについて、第2回はデータセンターの全体的な効率化を実現するためのDCIMについて、説明したが、今回はデータセンターの選定ポイントについて触れたい。

 日本におけるデータセンターというと、2000年ごろまでは大企業を中心に自社システムを稼働させるために、自社管轄内に設置したデータセンターを指し、当時はコンピュータセンター、電算センターと呼ばれていた。

 その後、急速なインターネット利用の拡大により、一般企業でもインターネットを使用した事業を実施するため、インターネットデータセンター(iDC)と呼ばれるような、他社が提供するデータセンターを使用するようになり、その名が知られるようになってきた。そのためほとんどが通信事業者の局舎を改造し、データセンターとしたものが多かった。

 さらに、インターネットを使用したビジネスシステムを開発するSIerが、開発したシステムの運用および保守を一貫したサービスとして、データセンター内に提供するようになった。

 現在ではデータセンター専用事業者が提供するものを表すのが一般的である。

 そのため、エンドユーザーの皆さまがデータセンターを選定する局面では、サービス提供形態にかかわらず、以下の評価項目について比較検討する場合が多いようだ。

  1. 立地 データセンターの周辺環境・交通の利便性
  2. 建物 コンピュータシステムの設置場所としての堅牢性
  3. 電力 コンピュータシステム稼働用エネルギーとしての信頼度
  4. 空調 コンピュータシステム冷却効率
  5. ネットワーク コンピュータシステム接続性
  6. セキュリティー 主に物理的なアクセス制限
  7. 認証取得 センター運営・システム運用を行う上での認証
  8. その他 アメニティ等執務環境

 以下、比較項目の評価ポイントについて説明をしていく。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]