第1回 はデータセンターの省エネについて、第2回はデータセンターの全体的な効率化を実現するためのDCIMについて、説明したが、今回はデータセンターの選定ポイントについて触れたい。
日本におけるデータセンターというと、2000年ごろまでは大企業を中心に自社システムを稼働させるために、自社管轄内に設置したデータセンターを指し、当時はコンピュータセンター、電算センターと呼ばれていた。
その後、急速なインターネット利用の拡大により、一般企業でもインターネットを使用した事業を実施するため、インターネットデータセンター(iDC)と呼ばれるような、他社が提供するデータセンターを使用するようになり、その名が知られるようになってきた。そのためほとんどが通信事業者の局舎を改造し、データセンターとしたものが多かった。
さらに、インターネットを使用したビジネスシステムを開発するSIerが、開発したシステムの運用および保守を一貫したサービスとして、データセンター内に提供するようになった。
現在ではデータセンター専用事業者が提供するものを表すのが一般的である。
そのため、エンドユーザーの皆さまがデータセンターを選定する局面では、サービス提供形態にかかわらず、以下の評価項目について比較検討する場合が多いようだ。
- 立地 データセンターの周辺環境・交通の利便性
- 建物 コンピュータシステムの設置場所としての堅牢性
- 電力 コンピュータシステム稼働用エネルギーとしての信頼度
- 空調 コンピュータシステム冷却効率
- ネットワーク コンピュータシステム接続性
- セキュリティー 主に物理的なアクセス制限
- 認証取得 センター運営・システム運用を行う上での認証
- その他 アメニティ等執務環境
以下、比較項目の評価ポイントについて説明をしていく。