海外コメンタリー

シーゲイトが披露した世界最大容量60TBのSSD

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-08-19 06:30

 Seagateによって、SSDの容量の世界記録が更新された。米カリフォルニア州サンタクララで開催された2016年のFlash Memory Summitで、Seagateは60TバイトのSAS SSDを披露した。これはSSDとしては世界最大の容量だ。

 SeagateがTwitterに投稿した写真に添えられたメッセージには、この容量のドライブなら、たった17台で1ペタバイトに達すると書かれている。展示の説明によれば、このドライブは3.5インチドライブの形状に収められており、「大規模ストレージアレイやアクティブなアーカイブ、頻繁に読み出しが行われる環境に最適」だという。

 これはまだデモ版だが、2017年中には正式にリリースされる予定となっている。ただし、この製品はデータセンター用の製品として開発されているため、エンタープライズ顧客にのみ販売される可能性が高い。

 これがどれだけの容量なのかよく分からない人のために、60Tバイトは「典型的なソーシャルメディアプラットフォームの写真4億枚、またはDVD 1万2000枚分の動画に相当する」とSeagateは説明している。このドライブはまた、電力消費も1ワット当たり4Tバイトと極めて低い。

 既存の製品と比べると、現在入手可能な最大のSSDは、サムスンの「PM1633a」だ。3月に発売されたPM1633aの容量は15.36Tバイトにすぎず、Seagateのモデルの約4分の1しかない。Seagateのモデルの価格は明らかになっていないが、サムスンのPM1633aは約1万ドルで販売されている。

 この超大容量SSDは、SSD業界で最近披露された最新技術の1つだ。ほかにも8月上旬に、Everspinが「世界最速」のSSDをFlash Memory Summitで展示すると発表している。容量と性能の両面でイノベーションのペースが上がっていることが、市場の成熟を示すサインだとすれば、今後エンタープライズデータセンターでのSSD導入には、さらに拍車がかかる可能性がある。

 Seagateにとって、この巨大な60Tバイトのドライブには、「革新的企業」という名誉以上のものがかかっている。同社は最近利益が減少しており、人員削減も進めているが、この新商品で同社の財務状況の強化を促すかもしれない。

3つの要点

  • SeagateはSSDとして世界最大の容量を誇る、エンタープライズ向けの60TバイトSSDを発表した。
  • この60TバイトのSSDは、電力効率も高いが、価格も極めて高いものになる可能性が高い。
  • Flash Memory Summitでは、Seagateの超大容量SSD以外にも、Everspinの世界最速のSSDが展示された。
シーゲイトが披露した世界最大容量60TBのSSD
提供:Seagate

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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