Teradataは米国時間9月12日、システム間をまたがって複数のテクノロジが採用されたアナリティクス環境間に存在する壁を打ち破る計画を発表した。
この取り組みは「Borderless Analytics」と「Teradata Everywhere」という2つのイニシアティブを中核とするもの。パブリッククラウドとプライベートクラウドの双方を有機的に連携させた、単一のアナリティクス環境を実現するという。
Teradata Everywhereイニシアティブによって、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」「Teradata Managed Cloud」といったクラウドのほか、VMwareの仮想化ソフトウェアや「Teradata IntelliFlex」といったプラットフォーム上でTeradataの超並列処理(Massively Parallel Processing:MPP)型アナリティクスデータベースが稼働するようになる。
「Teradata Database」は既に10以上の地理的リージョンにおいて「AWS Marketplace」から利用可能となっていたが今回、「AWS GovCloud(米国)リージョン」と「南米(サンパウロ)リージョン」「中国(北京)リージョン」を除くすべてのリージョンで利用可能になった。また、より大規模な並列処理のコンフィギュレーションが可能になり、最大32ノードまでサポートされるようになった。
Teradata DatabaseがMicrosoft Azure Marketplaceで提供されるのは、今回が初めてだ。利用可能なリージョンは「米国政府アイオワリージョン」と「西インドリージョン」「中国リージョン」を除くすべてとなる予定だ。
同社は、さまざまな配備形態におけるパフォーマンスと柔軟性の向上を目指し、Teradata Databaseのコア機能の強化も進めている。また、「Database Adaptive Optimizer」に対する機能改善によって、インストリームでのクエリ実行の再計画が可能になり、クエリ処理とシステム利用の効率化に向けたホストプラットフォームの自動調整が実現されている。
またBorderless Analyticsイニシアティブは、Teradata Everywhereイニシアティブと連携するものだ。このイニシアティブにより同社は、複数の分析エンジンに格納されたデータをシームレスに集約する「Teradata QueryGrid」と、複数のTeradataシステムを有機的に連携させる「Teradata Unity」の適用範囲を拡大することで、企業がマルチシステム環境を管理できるようにするとともに、一貫性のある業務上のユーザーエクスペリエンスを提供する。同社によると、このイニシアティブにより、テクノロジをまたがったアナリティクスも可能になるという。
Teradataのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高製品責任者(CPO)であるOliver Ratzesberger氏は「Borderless Analyticsはインフラのアジリティに関するイニシアティブであるとともに、新たなユースケースを切り開こうとするものだ」と述べ、「われわれは、企業が必要とするデータをその格納場所にかかわらず、既存のツールから活用できるようにすることで、業務上の価値ある洞察を追求し続けられるよう支援したいと考えている」としている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。