ついにiPhoneがカメラになった
iPhone 6 Plus/6s Plusでのみ対応していた、光学式手ブレ補正(静止画と動画)にiPhone 7が対応してきた。F値は2.2から1.8になったことで、iPhone 6sよりも取り込める光量が最大50%アップしていることは大きい。また、通常のカメラのフラッシュに相当するフォトライトは「クアッドLED True Toneフラッシュ」となり、iPhone 6sよりも50%明るく発光する進化を見せている。
内側にあるインカメラは、500万画素から700万画素に進化したほか、今回はiPhone 7 Plusで1200万画素の広角カメラと望遠カメラを1つずつ設けたデュアルレンズカメラを搭載してきた。これにより、仕事にカメラを必要としていた人たちが、もうデジカメを持ち歩かない可能性が出てきた。専業のカメラマンや記者といった職業でもないかぎり、もうデジカメを必要としない人が増えるのではないだろうか。
これは、そもそもわれわれが何にカメラを使うのか、というところを考えればシンプルだ。自撮りなどの個人利用は、当然iPhoneのインカメラで十分だ。光学式手ぶれ補正もあるので、片手撮りでも十分に対応できる。また、筆者は出先で顧客と打ち合わせをした際に、ホワイトボードを撮影してくる。過去に、画素数が大きいからという理由で、Android端末で撮影したことがあるが、少し暗い会議室だと写りが悪くて小さい文字が読み取れないことがあった。
しかし、iPhoneであれば明るく写せるため、文字の読み取りがラクになった経験がある。また、今回のiPhoneのカメラのバージョンアップによって、プレゼン資料に取り込む写真も、デジカメを使わずに撮影できそうだ。
手ぶれがある状態でも鮮明な写真が撮れるようになった
提供:CNET
動画でプレゼンしよう
プレゼンテーションというと、壇上に立ったスティーブ・ジョブズのような光景を思い浮かべるかもしれない。しかし、われわれ一般的なビジネスパーソンにとってのプレゼンテーションとは、ほとんどが一対一か、聞き手が2人程度かではないだろうか。
営業担当として客先に行くと、4席程度の会議室に通され、プロジェクタは設置されていない、なんて経験がある人は多いのではないだろうか。あるいは上品な応接室で、ノートパソコンの画面を見せながら説明した、という人もいるだろう。
もちろん内容にはよるが、これからのプレゼンテーションは動画にするほうがより伝わるのではないだろうか。プロフェッショナルが撮影するような、コストがかかる動画ばかりではない。これからの動画は、iPhoneの高性能カメラ機能を使って、自分たちで撮影した動画でプレゼンテーションする、という使い方が広がってくるのだと感じる。
iPhoneはカメラ機能だけが良くなったわけではない。動画を再生する際には、先代にも搭載されていたスピーカーに加えて、電話をする際に耳に当てる部分のスピーカーから音が出てくるステレオスピーカーなのだ。筆者もオフィスで試してみたが、驚くほど音質が良く、音量を上げても音割れなどまったく感じなかった。iPhone 6s/6s Plusに比べて、2倍の音量になっているのも、ビジネス用途としてはありたがい。
これなら、自分たちで撮影した程度の動画でも、上質に感じさせることが可能なのではないだろうか。もちろん、iMovieというアプリもあるので、動画の編集さえiPhone内で出来てしまう。われわれは、今までよりもさらにPCから解放される、といっても過言ではないかもしれない。
ノマドワークの道具は揃った
ノマドワーキングという言葉は、何年か前に聞いたことがある、という読者は多いことだろう。しかし、実際にノマドワーキングスタイルで仕事をしている、という人はまだ多くはない。そして、カフェで大画面のパソコンを開き、左側には飲み物を置き、右側でマウスを大きく動かして、2席3席を占領している姿は、もはや格好いいものとは言えないだろう。
むしろ、電車の中でiPhoneを使って、見積書、請求書を作成し、撮影した動画を編集し、プレゼンテーション資料を作り、そしてプレゼンテーションしてくる。まだまだ小さい画面の限界はあるが、簡単に諦めずに、取り組んでみることで未来が変わってくるのだと強く感じている。