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デジタル化

デジタル変革でプラットフォーマーを目指すために--ITR内山氏

怒賀新也 (編集部)

2016-10-13 07:30

 ITコンサルティング・調査会社のITRは10月12日、年次イベント「ITR IT Trend 2016」を都内のホテルで開催した。今年のテーマは「ビジネスとテクノロジの未来デザイン」。ビッグデータや人工知能(AI)、API連携によるアプリケーション開発など最近注目されているトレンドに加え、デジタル変革を前提にしたデザイン思考の重要性とそれに伴うIT部門の役割の変化などにも触れている。

狙うべき分野の定め方


ITRのプリンシパルアナリストの内山悟志氏

 基調講演に立ったITRの代表取締役でプリンシパル・アナリストの内山悟志氏は「物理から仮想へ、製品のスマート化、所有から共有へ、資源の循環と再生」など時代の流れを示すキーワードを挙げた上で「これから30、40年続くデジタル産業革命の入口にいる。これを過小評価してはいけない」と強調した。デジタル変革を進めていく中で、特にプラットフォーム戦略を立案し、実行していくことが不可欠と述べている。

 「多くの企業は、営業担当者が5000人いるなど自社の強みをベースに戦略を考える癖がある。だが、デジタル化において“カテゴリプラットフォーマ―”になるためには、自社のコアコンピタンスというのは最後に考えるべきものである」(内山氏)

 では、コアコンピタンスではなく、何を見るのか。

 まず、自社の置かれている外部環境を見定めることが先決だ。社会の課題は何か、製造業の今後はどうなるか、労働力は今後どう推移していくのかなどを把握することで、ニーズが見えてくるとする。次に、そのニーズに合致するシーズ――例えば新規技術やコモディティ化しているもの、革新的な応用方法など――と組み合わせることで、取り組むべき戦略や施策が浮かび上がる。

 その実行を考える際に初めて、自社の強みや過去の成功・失敗体験などのコアコンピタンスを考慮に入れる。狙うべき戦略領域は、この段階で特定する。

デジタル変革で狙うべき戦略領域の特定の仕方
デジタル変革で狙うべき戦略領域の特定の仕方

Uberの新たな戦略

 成功したカテゴリプラットフォーマ―として、米Uberの成功をよく耳にするが、ここに来てUberが、小口配送など運輸分野の新たなサービス提供に動こうとしていることを紹介した。

 タクシー業界の「破壊」からさらに物流分野に拡張することで、ゆくゆくはデータを軸に街全体を可視化していくといった狙いがあるとする。データビジネスの展開は、当初の想像をはるかに超えるものへと拡大しようとしていることに気付かされる。

 日本でも、料理レシピサイト「クックパッド」は、のべ5000万人のユーザーデータをベースに、食材、地域、季節、誕生日や運動会といった食用シーンに応じて、データの分析結果を食品製造業、流通、小売業向けに提供する有料サービス「たべみる」を展開している。企業が新商品開発などに利用することを前提としており、データが新たなビジネスを創出している例として、紹介している。

 さまざまな場面で、IoTであらゆる産業がデジタル化すると指摘される中、実際に企業がそれに取り組む際に、どんな分野を狙うべきなのか、自社の強みをどう生かしていくべきなのか。デジタル化を考える際の第一歩について、日本の大手企業の情報システム部門を中心とする来場者に、明解な筋道を示した。

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