松岡功の一言もの申す

デジタルトランスフォーメーションはワークスタイル変革から始めよ

松岡功

2016-09-08 12:00

 企業にとってデジタルトランスフォーメーションが競争力強化の大きなポイントになりつつある。ただ、果たして何から取り組めばよいのか、頭を悩ませている企業も少なくない。日本マイクロソフトにこの疑問をぶつけてみた。

4つの事象で表したデジタルトランスフォーメーション

 企業はデジタルトランスフォーメーションにどう取り組み始めればよいのか。この疑問について、日本マイクロソフトが9月6~7日に都内で開催したユーザー企業向けプライベートイベント「Microsoft Foresight」の1日目の基調講演、およびその後の記者会見で、平野拓也社長はデジタルトランスフォーメーションが次の4つの事象に大きな変化をもたらすと語った。

 1つ目は「お客様とつながる」。これについては、これまでもCRM(顧客情報管理)をはじめとした製品やサービスが使われてきたが、平野氏によると、顧客とのつながりがデジタルトランスフォーメーションによって新しいレベルに変わっていくという。

 2つ目は「社員にパワーを」。デジタルトランスフォーメーションによって、社員1人1人の生産性を向上させるという意味だ。ワークスタイルの変革がその代表例である。

 3つ目は「業務を最適化」。すなわち、デジタルトランスフォーメーションによって、オペレーションモデルの最適化を図ることができるという意味だ。

 そして4つ目は「製品を変革」。デジタルトランスフォーメーションによって、新しい製品やサービスを生み出し、競争力を一層高めていくことができるという意味だ。これはすなわち、ビジネスモデルの変革である。


日本マイクロソフトの平野拓也社長はデジタルトランスフォーメーションを4つの事象で説明した

 基調講演では、これら4つの事象において、それぞれに先進事例も紹介された。その内容については関連記事を参照いただくとして、これら4つの事象をあらためてユーザー視点で見ると、それぞれがデジタルトランスフォーメーションに取り組む“入り口”となり得る。

経営視点で分かりやすいメッセージを発信すべし

 では、どの入り口が多くの企業にとって取り組み始めるのに適当か。もちろん、企業ごとに業種業態が異なり、規模の違いもあることから、自社にとって最も効果的な入り口からスタートするのがよいだろうし、それぞれの事象でこれまでのIT化を生かしながら同時並行で進めることができれば、さらに効果的だろう。

 ただ、「デジタルトランスフォーメーションの必要性は認識しているが、何から取り組み始めればよいのか」と、頭を悩ませている企業も少なくない。

 そこで、この疑問を、基調講演後の記者会見で平野氏にぶつけてみた。すると、「すべての企業に共通する課題でもある“ワークスタイルの変革”から取り組み始めることをお勧めしたい」との答えが返ってきた。先述した4つの事象でいうと「社員にパワーを」のところである。平野氏のこのメッセージは筆者も同感である。したがって、本コラムのメッセージも「デジタルトランスフォーメーションはワークスタイル変革から始めよ」と訴えておきたい。

 加えて、平野氏はこうも語った。

 「デジタルトランスフォーメーションをこれから一層お客様に訴求していくためには、われわれベンダーも技術や製品の優位性だけでなく、経営やビジネスへのインパクトを理解していただける分かりやすいメッセージをこれまで以上に発信していかなければならない。今回の4つの事象についての言葉遣いも、それを十分に意識したつもりだが、今後もさらに分かりやすいメッセージを心掛けていきたい」

 IT業界では叫ばれて久しい課題だが、デジタルトランスフォーメーションという新しい言葉が多用されるようになってきた大事な時期だけに、あらためて付記しておきたい。

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