米Cylance、サイバーセキュリティ脅威リサーチセンターを開設

ZDNET Japan Staff

2016-10-18 12:35

 米セキュリティ企業のCylance Japanは10月14日、都内で記者発表会を開催し、東京にサイバーセキュリティ脅威リサーチセンターを開設したと発表した。人工知能(AI)を活用したマルウェア識別機能「CyberPROTECT」の日本語インターフェースの提供を同日から開始したこと、最高技術責任者(CTO)として前パロアルトネットワークスの乙部幸一郎氏が就任したことも併せて発表している。

AIを活用したマルウェア対策を提供
AIを活用したマルウェア対策を提供

 脅威リサーチセンター設立の目的は、日本において最先端のマルウェア調査情報を提供すること。グローバルと日本における傾向の違いなどの監視、日本における新たな脅威などの注意喚起、セキュリティブログやレポートでの情報発信なども実施していく。

 乙部氏は、米連邦政府人事管理局(OPM)が2015年に起こした420万人分の現職員や元職員の個人情報の漏えい事件について、漏えいの原因となったマルウェアの検出、阻止、修復に重要な役割を果たしたことを、米下院監視・政府改革委員会の委員長であるJason Chaffetz(共和党、ユタ州選出)氏が発表したとしてアピールした。

 中国由来と推測される「Shell Crew」や「Deputy Dog」といったハッカー集団によるAPT攻撃を識別、阻止するために同社製品を使用したという。US-CERTは2015年4月16日にOPMがネットワーク上で疑わしい活動を発見したと4月25日に報告。活動を発見した翌日に当たる4月17日には、人事管理局ITセキュリティ責任者であるJeff Wagner氏が、当時の最高情報責任者(CIO)であるDonna Seymour氏に、マルウェアを発見したのはCylanceのツールだったと報告したとのこと。

 乙部氏は、最悪のケースを想定すること、発見したときにはもう手遅れであることなどをOPM事件での教訓として説明。今後は「シグネチャに頼らない新しい時代のセキュリティが必要だ」とも指摘した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]