さらに同氏は、AIシステムは事業予想を行うだけなく、経営企画にも使われるようになるが、そのシナリオはリアルタイムで策定され、世界的な需要に応じて日常的に価格を改定するなど、さまざまな用途に利用されると語った。
Volkswagenはすでに機械学習を用いて、発売日や車両タイプ、販売エリア、車両オプションなどの情報を基に、将来の販売業績を予想している。Hofmann氏によれば、この技術はこれまでのところ「驚くほどの成功」を収めており、人間による販売予想の精度が平均60%であったのに対して、機械の予想精度は90%に達しているという。
いつの日か、これらの機械が、原価管理に基づく財務的な判断を自動的に承認できる知性を身につけるかも知れない。
最後に同氏は、機械は意思決定とその実行にも使用されるようになると述べている。こういった「何でも知っている」機械はチームマネジメントやスケジュール策定、時間計画、社内文書の自動的な管理などに使用される。
では将来、人間のすべての仕事は、機械に取って代わられるのだろうか。Hofmann氏はそれを否定している。むしろ、監督の必要性が薄いか、まったく要らない些細な仕事をAIにやらせることで、スタッフはより創造的な分野の仕事や、学術的な仕事をする時間が取れるようになる。
同氏は、未来の大企業は2025年までに、現在の製造ラインでロボットを使っているのと同じように、AIを利用するようになるだろうと考えている。
「今後は、人間をより高度で創造的な仕事ができるようにトレーニングしていく必要がある」とHofmann氏は言う。「またわたしは、人間は仕事を機械に任せにすべきではないと考えている。最終的な判断を行うのは、アルゴリズムではなく人間であるべきだ」
情報開示:筆者のリスボンへの旅費はWeb Summit 2016が負担した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。